エロ(えり)可愛い姉さんのランジぇりィ

原色系な高校時代。パステル系な大学時代。 黒系なOL時代。今?基本オールマイティ(ランジぇりィの色的な意味で)

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201、【琥珀色の染み】紫煙と香水・4月

高校生になりたての頃、背伸びして買ったCK(カルバンクライン)の香水…エタニティ。マイルドで優しい香りがとてもお気に入り。そんなエタニティを纏(まと)った全身を隈(くま)なく、煙草の香りのする男性の指先と唇と舌先に、預け、委ね、任せていた日々。寝る間も惜しんで、お互いの時間と、熱い想いと、幾多の秘密を共有し合った、忘れられない日々。

そんな、煙草の先から燻(くゆ)る紫煙の匂いと、手首や首筋からほんのり薫る香水の匂いの、2つの香りが、濃密に触れあい、重なり合い、そして混じり合った、春先から初冬までのほんの数ヶ月間の日々。数十年の人生のうちの、ほんの僅かな部分でしかないけれど、それでもとっても激しく、甘美で、そして濃厚な日々の物語。


登場人物は2人。えりサンと、そして、もう1人…。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


中学卒業と同時に面接を受け、高1の春先に始めた、近所にあるファミレスのウェイトレスのバイト…。そのバイト先で、たまーーにコーヒーを飲みにカウンター席に座る、ちょっと素敵なお兄様風のお客様がおりまして…。いつも、仕事帰りなのかな?夜20時~21時くらいに1人で来店。パリッとしたカラーのワイシャツに、爽やかな色合いのネクタイ。スラリとした長身によく似合う濃紺のスーツ。書類の入ったジュラルミンケースを携え、左手首には何やらごっついメタルシルバーの腕時計。

180センチくらいありそうな上背。カチッとムースで固められた、艶のあるウェーブ掛かった頭髪。意志の強そうな太い眉毛。彫りの深いきっちり二重な目元。軽く浮き出た頬骨。シュッとしまった顎のライン。男の人にしては、結構長くて細めな指先。

人差し指と中指で、テーブルに置いたタバコの箱から一本取り出し、薄めの唇に咥えたまま、アンティーク風のジッポーを、「カシュ!」って音を立てて着火。俯いたままタバコの先端の火を見つめ、大きく空気を吸い込んで、気持ちよさそうにフゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッと紫煙を吐き出しながら、「カチン!」とジッポーの蓋を閉める。その伏目がちな、眉間にしわを寄せた、ちょっとしかめっ面な表情が、妙に大人を感じさせるぅー。

このお兄さん、何歳くらいなのかな?ここのファミレスの店長が28歳って言ってたから、きっとそれよりは年下だろうな?たぶん…25~6歳くらい?コーヒーを啜りつつ、大抵いつも3~40分、時に持参したノートPCに向かいながら、時に新聞を広げながら、時に文庫本を読みながら、時に黙って紫煙の行方を目で追いながら、揉み消した2~3本のタバコの吸殻を灰皿に残し、そのまま伝票を手に会計に立つお兄さん。少しだけ憧れ(はぁと)。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


ある晩…カウンター席になぜだかいつもより長居しているお兄さん…。今日は珍しく、白いボタンダウンのワイシャツにノーネクタイ。仕事用の資料なのかな?なにやら文字や数字がいっぱい書かれた、クリップで綴じた書類の束を、一生懸命目で追いつつ、ボールペンでいろんな箇所にメモやマーキングをしているわけ。

あれ?珍しくコーヒーカップが空ぢゃーん♪ちょっとお近づきになれるチャンス☆かも…?って思いつつ、意を決して声を掛ける…。
えり「あ…あのぉ、コーヒーのお替り、お注ぎしますかぁ?」
お兄「え?」

その頃は、まだドリンクバーじゃなくって、コーヒーのお替りは一々注いで回ってた時代だったのね。
えり「え?あ、と…コーヒーのお替り…。」
お兄「あ?…ああごめんね…うん、ハイお願いします。」

注文以外で会話したのって…、もしかして初めてかもぉぉぉぉ!!!ってちょっと興奮♪軽く緊張しつつ、コーヒーのお替りを注ごうとした際…ていうかサ、そういう時に限ってサ!!!!何であんたは、ヘマやらかすのよぉぉ?!?!?!(自分に対して…です)

カップに注いだコーヒーが数滴!ピッって跳ねて、そのお兄さんの白いワイシャツの袖口に…!あ!!!っと思った瞬間!!!!お互いに目が合っちゃって!一瞬アタマの中真っ白!焦って「す…すみません。」って言おうとした際に、手に持ったデカンタが斜めになっちゃって!更にコーヒーがジャー!!!一瞬にして、カップから溢れてソーサーまでコーヒーまみれ~~!!!ノォォォォォォォォォォォォオオオッ!!!!!

ファミレスってサ、結構マニュアルとか多くてサ!「アレをしてはイケマセン!」「コレをしてはダメ!」「こういう時は、まず〇〇をして、次にXXをして。」って、最初に色々な手順を徹底的に叩き込まれるわけ!ただ、ほんの数ヶ月前までは中学生の!バイト経験だってせいぜい1~2ヶ月のこのえりサン!完全にパニック状態!!

えっと!えっと!お客様にコーヒーをかけちゃった場合…どうするんだっけ?まず謝って…拭いて…それから、えっとーーとか軽くキョドりつつ。「あ…えっと。ごめんなさい!どうしよ。あ…えとえと、まず、オシボリ…違う違う!濡れタオル!まず、て…店長に報告…熱ちっ!」慌てて、熱々のコーヒーの入ったデカンタをピッって触っちゃう始末。とりあえず、無我夢中でこぼれたコーヒーをダスターで拭きつつ、ヤバイ どうしよう!どうしよう!何かをしなくちゃいけないんだけど、何をしたらいいのか、完全思考止――!すると、目の前のお兄さんが、ゆっくりとした口調で、話しかけてきたのね。

お兄「お姉さん。」
えり「…は!はいぃぃ?(汗)」
お兄「落ち着いて!大丈夫だからサ。ゆっくりゆっくり。」

えり「あ…ハイ♪すみません(涙)!」
お兄「全然問題ないからさ!気にしないで!」と穏やかな笑顔。

えり「えとぉ、…でもぉ、いちおう…、今店長を呼んできます。」
高1ですもん!しかもバイト始めてほんの1~2ヶ月。機転なんか利かないッス~!とりあえずなんか粗相があったら、真っ先に店長に報告!そういうふうに教育されてたモンですから…。店長呼んできて、一緒に謝るしかない???とか思ってると…。

お兄「いいからいいから。」
えり「で…でもぉ。」

お兄「そんな事したらさ、お姉さん…後で、店長に怒られちゃうんでしょ?」
えり「…え?は…はぁ。」多分?…んー?よく分かんないけど…。

お兄「2人だけの秘密…って事にしとこうよ。」
えり「えっ…いいのかなぁ…?」

お兄「いいよ。内緒な!ハハ。」
えり「ハ…ハイ。」

お兄「………で?」
えり「…………は、はい?」

お兄「取り敢えずは、落ち着いた?かな。」
えり「え?は…はい。」

お兄「じゃあサ、ひとつ…お願い。」
えり「…は!はい!?」

お兄「オシボリ、持ってきてくれる?」
えり「…あっ///。」

お兄「染みにならないうちに、ワイシャツ拭いときたいからサ。」
えり「ご!ごめんなさいっ!!!!」

お兄「ほらほら、そういう大きい声出すと、奥にいる店長にバレちゃうぜ。秘密、秘密!」
えり「は…はい☆」

それが、
私たち2人の、
初めての秘密の共有でした…♪


5月【青いワイシャツ】に続く

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202、【青いワイシャツ】紫煙と香水・5月

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☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

その後も、同じようなペースで来店してくれるお兄さん。例の一件以来、ちょっとだけ日常会話も交わせるようになっちゃってサ☆やっほーぃ♪


ある日、カウンター席で、コーヒーを飲みながら雑誌の映画のページを丹念に読んでるお兄さん。ちょっと暇な時間帯…。手持ち無沙汰に、トレーを持ちながら店内をウロウロするえりサン。カウンター越しに、ふと雑誌を覗き込み、
えり「あれ?その映画。」
お兄「え?」
えり「ちょうど先週、友達と観に行って来たんですよー。」
お兄「へぇーそうなんだ?やっぱ面白かった?」

えり「はいー☆すっごく面白かったですよー。是非!お奨めですよ♪」
お兄「うーん。観にいきたいんだけどさー。」
えり「…?」
お兄「1人で映画観にいく行くのって何かさー。ちょっと変じゃない?」

えり「え?彼女さんとかいらっしゃら…ららないんですかー?」
慣れない敬語…なので、噛んだ!!(恥!)&軽く期待しつつのカマ掛け…少しドキドキ。
お兄「彼女ーー?ハハハいないんだなコレが(笑)。」
えり「え~?嘘ー!なんかモテそうじゃないですかー?」

お兄「残念ながら、つい最近別れたばかりでネ…。」
えり「…あ、…そ…そうなんですかー?アハハ。」
お兄「アハハハ……。」
えり「アハハハ……。」
お兄「………。」
えり「………。」

少し沈黙、軽く気まずい…感じ?で、沈黙を破ってくれたお兄さん…。
お兄「やっぱさー。すっごく面白かった?その映画?」
えり「ハイー☆ハラハラして、ドキドキして、たまに笑えて。最後の所でちょっとホロッってしちゃって…。」

お兄「…そっかあ。……まあ、いいや。1人寂しく映画館で観るくらいなら、今回は諦めてレンタルビデオが出るまで待とうかな。」
(※当時はまだDVDじゃなかったんです)

えり「あのぉ…、私でよかったら…、映画、一緒に観に行きましょうか?

お兄「えっ!?
えり「えっ!?

…っていきなり!何言ってんのぉぉぉ!!! ヤヴァイーーー!!!思わず言っちゃったーーー!!!!その時!一瞬にして顔面に体中の血液が昇ってくるのが分かったよ!顔から火が出るって、まさにこの事なのねーーー!!!は…はずかしぃいいいいいいいいいいいいい!!!

お兄「…………。」
えり「…………。」

お願いーーー!この沈黙はつらい!!!『んな阿呆なぁ。』…的な笑顔で軽くいなしてくださいよぉぉ!!!『アハハ今度機会があったらね。』…的にサラッとスルーしてくださいよぉぉ!!と、思っていた所…。
お兄「ホントに?
えり「え?…うん?え?」 
お兄「ホントに一緒に観に行ってくれるの?」
えり「え…?あハイ。」 

お兄「でもなー。」
えり「あ…。」
ご迷惑だったらいいんですスミマセン…的な事を言おうとしたら。
お兄「一度観たのに…、また同じの観るなんて…いいの?」
えり「え?あー。ハイ。面白かったから、また観たいなー、…なんて思ってたんで、アハハハ。」
半分本当で半分嘘♪

お兄「じゃ お願いしてもいいですか?
えり「は…はい。」
えええええええええええええ?いいの?いいのーー?

お兄「ありがとう!お礼に映画代はこっちが持つからサ!」
えり「え?そ…それは悪いですよ。」
お兄「何言ってんのー。こっちのお願いで、再度同じ映画を観てもらうんだから、当然の事だって!」
えり「…ま、まあ、それなら。ハイ♪分かりました…。」 

お兄「あと、夕飯も付けちゃうね。もしよかったら映画の後一緒にどうかな?」
えり「…え?」
うわうわうわ話しがトントン拍子に進みすぎぃ。
お兄「…って、ごめん。勝手に盛り上がっちゃったね。さすがにご飯を一緒に食べるのは、彼氏さんに悪いよね?」
えり「いやいやいやいやいやいやいやいや!!!!!!!!彼氏なんていませんから!!!!」
…あれ?逆にカマかけられた?ていうか、いい加減、真っ赤な顔をなんとかしろ!自分!恥ずかしいよぉぉ!!!プラス、嬉しいよぉぉぉ!!!


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

基本、平日が休みのお兄さん。えりサンが授業が早く終わる、なおかつバイトのシフトが入ってない日に、都内まで映画を見に行くことになりまして。高校の授業が終わり、ソッコウダッシュで自宅に戻り、きっちりおめかしし直して、いざ…出陣!15時頃にえりサンの自宅まで車でお出迎えしてもらい、そそくさと助手席に座り、シートベルトを締め、都内へGO!男の人の車に2人っきりなんて
初めての体験。運転席で前方を凝視している兄さんの横顔を時折チラ見、口に咥え、火をつける煙草。棚引く紫煙、運転席側の窓から入ってくる、心地よい風に煽られた、胸元の軽く開いたブルーのワイシャツが妙に眩しい。一応、こっちもおめかししてきたつもりなんだけど子供っぽくないかな?大人っぽいお兄さんと不釣り合いじゃないかな?って軽く心配。

途中、信号待ちの時にお兄さん、不意にえりサンの方に鼻先を近づけ、フンフンって…。
えり「?」
お兄「あ、ゴメン、なんか良い匂いがしたから…。」
えり「え?そうですか?」
お兄「香水?」

ウン、気合い入れてエタニティを付けてきちゃった♪
えり「ハイ…。」
お兄「すっごいいい匂いだねー。」
えり「あ…りがとうございます。」
お兄「超気に入ったちゃったなーその匂い。香水ってさ、シュッシュみたいに吹きかけるの?」
えり「え、これはー、両手首に付けて、軽く擦りこむようにするんですよ。」
お兄「へーーー?凄いねーー。」
えり「そ…そうですかー?」
お兄「俺って、香水とかそういうの無頓着だから。凄い、何か大人の女って感じだね」

えー?そ…そうかな?そんな風に褒められると、なんか気恥ずかしいっていうか、くすぐったいっていうか。ていうか、いつもバイト先で、お客さんと従業員として話す感覚と、ちょっと違う…ていうか、いつもより近い?ていうか、垣根がない分、何かいい感じ?

そんな風に車中、一度も会話が途切れなくって、時折軽く褒められちゃったり(照)、ウイットに富んだギャグに軽く笑わせてもらったり。でも、時折見せる大人の横顔に「惚れてまうやろー」的ナ?とにかく、常にリラックスした空間、とてもジェントルマンな雰囲気に、軽く舞い上がり気味な、そんなえりサン。開けた窓ガラスから吹き込む風。煙草に火を付ける度に、煙が車内の中を循環して、そして車外へと抜けていく。今までちょっと苦手だった煙草のにおいが、全然平気になってる。そんな、不思議。あー不思議♪


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

都内の地下駐車場に車を停め、そのまま映画館で、軽くドキドキな映画鑑賞…☆どっちかっていうと、映画の内容よりも、横に座っているお兄さんに意識は集中!映画館を出て、人ごみで混雑した舗道を、はぐれないように必死にお兄さんに付いていくと途中、横道に逸れた路地へ…。そのまま地下へと延びる階段を下りていくと、そこはシックでお洒落なイタリアンレストラン。

席に案内され、注文はお兄さんにお任せ。車運転してるし、未成年だし、乾杯はお互いジンジャエール☆
お兄「って、何に乾杯しようか?」
えり「うーん、面白かった映画に?かな?」
お兄「俺はね。えりチャンとデートできたことに。」
えり「え///あ…。ありがとうご…ざいまする(恥)。」
褒められるのに慣れてないせいで、何故か思わず、お侍言葉(爆)。

一応ネ、えりサンも、お兄さんと出逢えたことに…乾杯。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

家の前に着いたのは、門限21時のちょっと前。公園脇、外灯から少し離れた路側に停めた車の中。ライトを消した車内は、微かにアイドリングするエンジン音と軽い振動。ほぼ真っ暗闇。エアコンの柔らかい冷気が漂う中、そのまま、唇を、重ね合わせたのが、

私たちにとっての、
2つめの秘密の共有でした…♪


ちなみに、ファーストキスではなかったのは、ワタシだけのヒミツ☆


6月【銀色のサンダル】に続く

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203、【銀色のサンダル】紫煙と香水・6月

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☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

お兄「えっ!!高校1年生??って事は、15歳?嘘だろー?見た目大人っぽいから、てっきり大学生くらいかと思ってたよ。」
えり「って、そっちこそ29歳ー?高校の担任とタメぢゃん!!!!見えないんですけど!25歳くらいかと思ってた!」

出会った時は、ウェイトレス(=えりサン)と常連のお客さん(=お兄)。 一緒に映画を観にいくことになって…、ご飯を食べて…、家まで送ってもらって…。家の近くの公園の横に車を停めたまま、盛り上がりすぎて、切り上げるタイミングが見つからない会話、刻々と近付く、高校生えりサンの門限の時間。そんな時、ふと目に入った、お兄さんの下顎にピョンと飛び出た、一本だけ剃り残された髭。 「あれぇ?なんか付いてますヨォ。」と伸ばした指先。「え?」と振り向くお兄さん。

その刹那!!!!!!!お互いの顔が!まさに、息がかかるくらいの距離!!!おっと!!!!ととととーーーーーー!!!…って、スッと身を引くこともできるシチュエーション。でも!敢えてコンマ数秒間!!!その体勢を保ってみたりして。真っ暗な車内、見上げると仄かに窺うことのできるお兄さんの表情、見つめあう瞳、恥ずかしいけど…でも逸らさない視線。気付いたら、えりサンの唇に、そっと重なるお兄さんの唇…♪その間、ほんのわずか1~2秒?

ヴィィィィィィィィィィィィィン!!!!!!大きなのエンジン音と共に、車の横を通り過ぎるスクーター。吃驚して、瞬時にパッと離れる2人。目と目が合って、何か、お互いにクスクス笑っちゃったりして。
お兄「そろそろ、門限の21時だね。」
えり「ハイ///きょ…今日はありがとうございました♪」

ちょっと開き気味の、ブラウスの胸元部分を押さえ、足元に落ちたバッグを拾い上げ、頬を染め俯きつつ…、車を降りようとする
…と、背中越しに、
お兄「あ…、と。」
えり「え?」
お兄「あ、えと、また…。」
えり「……。」
お兄「電話しても………?いい、かな?」

えり「……………………………………ウン☆会いたい♪



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

それが私たち、当時29歳のお兄さんと、15歳のえりサンの、ちょっとアバンチュールな関係の始まり。おそらく、通常では交わることのなかったであろう、別々の世代の2人の男女が、不思議な縁で出会って、お互い相手の住む世界の出来事が、もうまさに異次元の事象。当初は戸惑いつつも、でもそんなギャップを楽しみながら、少しずつ、2人だけの思い出と、2人だけのサインと、そして2人だけの秘め事を増やしていきました。

目を合わせると、時の経つのを忘れ。唇を重ねると、お互いの気持ちがどんどん近付いていくのを実感し。シャツ越しに、お互いの素肌を重ね合うと、その一体感に心震えたりして。そして、いつしか、心も身体も求め合うのは、健康体の、お年頃の男女なら当然の事……でしょ?


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

世間では小室プロデュース曲がオリコンを席巻し、アムラーが街中を闊歩し、ポケベルからPHSへと移行しつつあった頃。髪の毛にシャギーを入れ、夏服のブラウスを第2ボタンまでラフに外し、スカートを腰上までたくしあげて超ギリギリのミニに仕立てあげ、ルーズソックスをソックタッチで留め、ローファーをひっかけ、ムラスポのバッグを抱え、友達と駅前をワイワイ騒いでた頃。そんな季節。

試験で学校が早く終わる日、前もって会う約束をしていた2人。校門まで車で迎えにきてくれたお兄(ニィ)。一旦、自宅に送ってもらい、制服から私服にお着替え。え?…だってサ
今から、学校の制服じゃ入れてもらえないトコにいくので。
今から、学校の制服じゃ入れてもらえないトコにいくので。
今から、学校の制服じゃ入れてもらえないトコにいくので。
重要な箇所なので、3回ほど繰り返してみた。

国道沿いに建つ、ちょっとお城チックな感じのラブホテル。お兄曰く、最近オープンしたてだそうで…へぇ。エントランスには滝があって、流れ落ちる水に反射する、光の3原色のイルミネーション。モノトーンでコーディネートされた、床一面大理石風のロビー。受付で会計を済ませるお兄。後ろに隠れるえりサン。ルームキーを預かると、リーチの長いお兄…そのままスタスタと、エレベーターホールに向かって歩き出しちゃって。「あ ねぇ!待って。」と小走りに追いかけるえりサン。もぉ!この15センチの厚底サンダル、買ったばかりで履き慣れてないんだからー!お陰で、躓いてコケそうになっちゃったじゃんかよーー!もう。


…………

有線放送が静かに流れる室内 。ベッドサイドで、立ったまま軽く抱擁され、ほぼ一週間ぶりのキスはいつもの煙草の味。上背のあるお兄が、少し猫背の格好になって、えりサンを抱きすくめる感じ。メタルシルバーの厚底サンダルは、ヒールの高さが15センチもあるのに、それでもえりサンは、顎が軽く真上を向くような体勢。サイドホックが外され、ファスナーを下ろされ、ストンと足元の床に落ちるプリーツスカート。胸元のボタンも外され、肩から腕へと、スルリと落ちるブラウス。下着姿を、まじまじと見つめられるのが恥ずかしくって、お兄の腰に両腕を回し、全身を密着♪そのままシュルシュルって、長袖のTシャツを脱いで、ジーンズだけの格好になるお兄。初めて直に触れる、成人男性の素肌(照)♪

薄めのサーモンピンクのシーツ、枕元には柔らかそうなピローが2つ。薄手の掛け布団を剥がし、厚底サンダルを丁寧に脱がされ、大きなベッドの中央に仰向けに寝かされたえりサン…。ちょっとスプリングが硬めのベッド。素肌に直の、シーツの感触が気持ち良い。広い天井と、ぼんやりと光る照明を仰ぐように眺めていると、上半身裸のまま、組み伏すように覆いかぶさってくるお兄。えりサンの目先に揺れる、お兄の胸に掛かったネックレスの先端、四つん這いのまま、枕元の照明のスイッチを調整すると、とたんに薄暗くなる室内。閉められた窓の隙間から洩れる陽光。あ、外はまだ明るいんだナー、なんて思いつつ。そのまま目を閉じ、ここまで来たら、後は…もう、お兄の為すがまま、為されるがまま、…完全お任せ状態。


………

長い長いキスの後、お兄の舌先が移動。そこからは、いよいよ未知の世界に突入!!!!興味深々なのと、怖いのと、半分半分。耳に触れるお兄の舌先。…あっ♪そこから耳朶に。…あ…あ♪耳の後ろ側 。…あ、…ちょ!ちょ、ゴ…ゴメン 、そ…そこ、駄目っ。ああああン。駄目!!!くすぐったいぃぃ!!!!!!!!なんとか我慢してるんだけどー、そのまま、首筋に降りてくる舌先…きゃっ☆喉元…うぅぅ♪鎖骨…や、…んん。肩、…んんんんんんん!!!きゃ☆そ…そこもぉ。だめええええええええええ!!!!!くすぐったいのぉぉぉ!!!!!

えり「だめ!!!ちょ!!!!っと。待って。待って。待って。キャハハハハハ!!!」
お兄「…えっ?」
思わず笑い転げちゃって…キョトン顔のお兄。
えり「ごめーん♪ くすぐったくって…。我慢したんだけど…ちょっとタイムーー!」
お兄「あ…、ごめんね…。」
えり「ううん、私こそ、本当にごめんーー。」

こうして今思うと、本当に我儘なえりサン!こんな風に途中で、何度も何度も、お兄の行為を中断させちゃって…。それでもお兄は気遣って、えりサンのペースに合わせて、必要以上に愛撫に時間を割いてくれたの。その後も、じっくり時間をかけてくれたお陰で、徐々に徐々に火照ってきたような気分。背中に回ってきたお兄の指先に、ブラのホックを外されちゃって。そのまま唇で触れられると…、なんか体の芯のほうから、何て言うのかな…「じわじわぁぁ」って感覚が湧き上がる感?思わず、仰け反っちゃって…。
お兄「あ…、まだ、くすぐったかった?」
えり「…………ううん///大丈夫。」

無意識に、胸の上にあるお兄の頭をギュッって抱きかかえちゃった…。あ…、男の人の髪の毛触るの…初めてかも?いつもムースで固めてるけど、今日は仕事がお休み…なので長めのナチュラルなサラサラヘアー。結構柔らかい、細めの髪質なんだー♪そのまま、えりサンの両腕をするりと抜け出すようにスススッって、下へ移動するお兄の頭…。閉じていた両脚を…ちょっとだけ押し広げられて。…ええええ!!!何か、ちょっと…、あ♪どしよ☆なんか、手持ち無沙汰になっちゃった両腕。そのまま、思わず掴んだ枕元のピロー。固く閉じる目。

両脚を…、そのまま、軽く持ち上げられて。下着が、腰から→太腿→膝→足首へと移動して、そのままベッドサイドへ。うわわわわわわ!!!恥ずかしい!!!!!ピローを掴んでいた両腕を離し!思わず顔を覆い!きつく噛んだ下唇!何か腰あたりで、カチャカチャって、ベルトを外す音。あ…ジーンズ脱いでるぅ…。来るんだー☆とうとう来るんだーーー☆☆☆って、思って身構えて、いたん、だけれどぉ…。

お兄「うーん。えり。ごめん!!!」
えり「……?」
お兄「どうも、今日は駄目っぽい。」

どうやら、お兄の下半身が、勃たなくなっちゃった?…みたいで。全てが初めてのことばかりで、そういう時って何て声を掛ければいいの?全然思い浮かばなくって…。
お兄「ごめん…ほんとごめんね。」って謝るお兄に、
えり「ううん。全然大丈夫だよ。」って、訳も分からず答えるしかなかった。
暫くお兄、色々と努力していたみたいだけど、最後まで駄目で。えりサンも、何の手助けもできないまま、その日は結局、何もないまま、家の前まで送ってもらいました…。

何を話せばいいのか、何て慰めればいいのか、ていうか慰めるべきものなのか、この重い雰囲気をどう取り繕えばいいのか、全然分からなくって。結局、次の約束もできずに、無言のまま別れちゃって。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

実は、えりサンと同じように、お兄も凄く緊張してたみたい。ごめんね、気遣ってあげられなくって…。お兄が、えりサンに気遣って一生懸命色々してくれたのに、何かこっちが照れちゃって、くすぐったがっちゃって、途中何度も何度も中断させちゃって、きっと、そのせいだよね。

でもね、えりサンも、お兄が出来なくなっちゃった事がすごく心配だったんだよ。本当に欲しかったのは、お兄の身体じゃなくって気持ちだから…。別に、痛くても、上手くいかなくても、失敗しても全然大丈夫。当時のえりサンは、子供で全然世間知らずで、言葉足らずで、そういう気持ちを上手に伝えることができなくって、すごく悔しかった…。


………

このまま2人の関係が、あっけなく終わっちゃうのかな?って漠然と思っちゃいまして。これまでも、オママゴトみたいな恋愛なら何度か経験はしてきたんだけど、大抵はちょっとしたすれ違いから、喧嘩とかしちゃって。そのまま、仕方ないかー、くらいな感じで、あっさりと諦めちゃうんだけど。何だか今回だけは、どうしても、このまま終わらせたくなくって。どうしたらいいのか分からなかったけど、でも一生懸命に考えて、考え抜いて。

学校と自宅のルートからはかなり外れた、同じ市内だけど30分くらいかかるお兄のアパートに、学校帰りに思い切って立ち寄ってみた。駐車場に車が停まってたから、きっと部屋に居ると思って、階段を上って、部屋まで行ってみた。ちょうど6月の梅雨時で、自転車で向かう途中、小粒の雨に打たながらも、傘も差さずにダッシュしていたおかげで、じっとりと濡れそぼった、制服姿のえりサンを、驚いたように、でも優しく部屋に迎え入れてくれたお兄。ちょうど夜勤明けだったらしく、眠い目をこすりながら、バスタオルを差し出してくれて…。

特に言葉とかはなくって、ただそのまま、軽く抱き竦められて。濡れたブラウスや、髪の毛や、頬を、優しく撫でられながら、気付いたら、何か…。

上手く、出来ちゃった。
何を?うん…。
えっち♪

お兄も、えりサンも、すごくリラックスした状態で。ていうか、ホント痛いとか、くすぐったいとか、ぎこちなさみたいなものが全くなく。自然に、流れるように…。心と身体が、交わり合い、一体化し、融合できた…そんな感覚。

電気の消えた薄暗い室内、窓の外の雨は先程よりも多少強め。窓ガラスに時折当たる雨粒の音に、耳を傾けながら、薄い掛け布団に包(くる)まったまま、ベッドの中で、お兄の寝顔を見てた。ずーーっと♪ただひたすら♪


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

その日以降、えりサンの持ち物に、2つのものが加わったよ。
お兄のアパートの部屋の合鍵と、左手薬指にはシルバーのリング。

そんな、15歳の初夏…。もうすぐ夏休み☆


7月【翠色のキャミソール】に続く

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204、【翠色のキャミソール】紫煙と香水・7月

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10月
11月
12月

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


たぶん一生のうちで、最も忙しくって、最も楽しくって、最も刺激的だった、そんな高校1年の夏休み。ポケベルからPHSに切り替えて、夏らしく髪の毛をばっさりショートにカット。軽く茶色に染めて、ちょっとだけ前髪に銀のメッシュ。眉毛のカタチを整えて、両耳に開けたピアス。ギャル系雑誌「egg」は毎月チェック、濃いめのメイクを施し、手足の爪にはがっつりとハデハデマニキュア、高いヒールの厚底サンダルを履き、ギャル系ファッションに身を包み、香水の香りを身に纏い、当然ナマ足!当然ギリギリミニスカ!当然肩&背中出し!

髪の毛の色はスプレーでごまかして、週に5日~6日朝から晩まで8時間のウェイトレスのバイトをこなし、残りは朝から晩まで友達と遊ぶか、ひと回り以上年上の彼氏…お兄(ニィ)とデート☆



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

夏休みが始まったばかりの平日。お互いに仕事とバイトがお休みの日に、都内の花火大会を見に、ひさびさのデート(お兄は平日がお休みなので)。夕方近くになっても、全然気温が落ちなくって、普通に立ってるだけでもじんわりと汗ばむ…そんな真夏日。

電車で都内に出かけ、買い物して、食事して、プリクラ撮って、花火を見て、あっという間に流れる時間。花火大会も終わり、駅に向かって歩道を歩いてるんだけど、とにかくもう!ものすごい人出。どこを歩いてもヒト!ヒト!ヒト!ホント!手を繋いでなかったら、完璧はぐれちゃうネ…ってくらいの混雑具合。ずーっと、そんな中を歩き回ってたら、高いヒールのサンダルのせいで脚が超痛くなってくるし!お腹は空いてくるし、すれ違う他人の汗ばんだ素肌が触れると、何かもう気持ち悪いし。とにかく疲れちゃって…。

とりあえず混雑を抜け出し、どこかで夕食…と思ったんだけど、覗き込んだお店はどこも満席。もうここでいいか…って2人で入った、裏通りの雑居ビルにある居酒屋。4~5人が乗ると満杯になっちゃいそうな、そんな小さなエレベーターで7階まで昇り、お店の扉を開けると、人いきれと煙草の煙と喧騒の充満した店内。

奥の座敷では、団体客が呑めや唄えの大騒ぎ。忙しそうに立ち働く店員さん。唯一空いていた、隣のお客さんと肩が触れそうなくらいの、狭いカウンター席に通されて、とりあえず生ビールとグレープフルーツジュースで乾杯。結構ストイックなお兄。自分では、お酒も煙草もガンガンなくせに、未成年のえりサンには絶対に許してくれない!まあえりサンも 、どっちかっていうと、一緒に飲む…というよりは、酔いながら少しずつ饒舌になっていくお兄を、頬杖つきながら観察…っていうか、ボーッと眺めるのが好きでしたネ。

お兄…、普段は仕事とか、車とか、サッカーとか、そういう話が多いんだけど。ちょっとずつ、えりサンの影響?で『チュープリ』『ムラスポ』『エヌパー』『シャギー』などなど、えりサン世代テキなボキャブラリーが増えてきまして。ちょっと前まではー、
お兄「えりの財布…なんかカッコいいなー。…えーっと、あぐねす…びー?」
えり「『agnes b』?アニエス・ベーだよぅ♪キャハハハハハハハ」
お兄「アナスイ…穴水?なに?」
えり「ANNA SUI!!!そういう名前のブランド!」

ってな感じで、全くファッション系には無頓着だったお兄。最近では、
お兄「あのさー、今日の、そのキャミ…ソール?結構可愛いね。」
えり「え?///キャミソォルゥ?」
お兄「え…今着てるのが、キャミ…ソールって言うんだよね?違った?」
えり「あは☆そうだよぉー。褒めてくれてありがとぉぉぉ。」
お兄「何だよー!一瞬間違えたかと思ったよー!」
※キャミソール…細い肩紐で吊るし肩を露出する形状の袖なしの女性用の上半身用下着ないし上衣。元来は、TPOの限られたフォーマルドレスを除いて、下着の意味に用いられてきたが、下着のテーストをもつ下着風ルックを街着として使うファッションの流行から急速に上衣としての用途が広まった。… Wikipediaより

つい最近買ったキャミソールのワンピースミニ。ラメ風のエメラルドグリーン。大胆に広がった胸元にはラブリーなリボン。全体的に浮き出るカラダのラインが軽くセクシー。地下鉄なんかで不意に足下から風であおられちゃうと、軽くフワッてチャームな感じで膨れ上がっちゃう…。そんな、キュートな薄手のシルク風の生地。今日のために奮発して買っちゃったー。

お兄「似合ってる…と思うよ。うんうん。」
えり「可愛いでしょー?先週渋谷で買ってきたんだー。」
お兄「うん…可愛いけど。ていうか、言おう言おうと思ってたんだけど…。」
えり「え?なぁに?」

お兄「あのぉ……、ブラジャー…見えてますけどーー。」
えり「え?嘘ォォ!!!どこどこ?」
お兄「いや、あの、肩紐が…。」
えり「ええええ?なんだぁ、びっくりさせないでよぉ。これは見せブラだから大丈夫なの。」

お兄「見せ…ぶらって?」
えり「見せてもいいブラジャー♪ていうか、むしろ見せるブラ。」
お兄「…そういうもん?」
えり「まー、下着っていうよりは、水着に近い感じ?見せても良い下着ミタイナ?エメラルドグリーンのワンピースから、チラ見えするルビーレッドの下着ー♪ってお洒落じゃない?ていうか気になる?気になるんだー?

お兄「うーん、まあ、ちょっと目のやり場に困るっていうか……。ていうか、そのキャミソールの肩紐よりも、下着の肩紐の方が太いし…。色も派手で、胸元からも時々チラチラ見えてるし、背中も結構全開気味…。」
えり「クスクスー♪そんなに気になるんだったら、外しちゃおうか?」
お兄「え?何??外すって?」
えり「ノーブラー♪外しちゃえば、肩紐も、胸元のカップも、背中のホックも見えちゃうーーっていう心配がなくなるでしょ?」

お兄「あ、いやいや///分かった!分かった!いいからいいから!外さなくっていいから!!!」
えり「クスクスクスクス。何か、お兄照れてるー。」
お兄「ゴホン!!!うるさいヨ!!!つうかサ、素朴な疑問なんだけど、その下…なんか着てるの?」
えり「えー?なんかエッチな質問ーー。もしかして酔ってるー?」

お兄「いや///あのぉ、ちが…ただ、ちょっと聞いてみただけだって!!!!」
えり「クスクス。その下?って、ワンピースの下に?ってこと?」
お兄「え?まあ…。」
えり「下着だけだよーー☆このエメラルドグリーン色のぉ、キャミソールミニワンピの下にはぁ、蜘蛛と蝶々のワンポイントの入ったー、ルビーレッドのー、上下お揃いのぉ、愛くるしいブラジャーとぉ、乙女チックなショーツゥ、しかー身につけておりませんですけどぉぉぉ。ほら覗いてみてー。見えるー?」

お兄「え?」
えり「ネッ?ココとココに、お花が刺繍されててサ、でここ…ネ♪ホラ、金色の小さい蜘蛛の模様がワンポイントで入ってるでしょ?」
お兄「///…う…うんーー。」
えり「でね、見て見て☆こっちはぁ、腰骨のトコに、黒いパピヨンのワンポイント? 超かわいくない?でーここ…裏側を捲(めく)るとサー、ほらー表の色と違って、モノトーンのアニマル柄になってるんだよぉ♪」
って、カウンターテーブルの下、他のお客さんや店員さんに見えないように、お兄の方を向いてこっそりと、太腿の上のレース状の
スカートの裾を上ようとした時、

お兄「/////////もういい!もういい!もういい!分かったから!!!早く隠せって!!!こんな所で見せるんじゃないっつうの!!!」
えり「キャハハハハー☆お兄ー焦ってるー♪」
…なんかホロ酔いの。、お兄をからかうとサ、いつも結構キョドっちゃってサー。そんな、お兄を見るのが、また楽しかったりしてネ。


……………

途中から、生ビールを瓶ビールに変え、えりサンのお酌で、数本の中瓶を空にしたお兄。目を真っ赤に充血させて、すこし笑い上戸…。「そろそろ帰ろうか。今なら門限…余裕で間に合うだろ?」って会計を済ませ、無人の7階のロビーで、エレベーターを待つ2人。お兄に肩を抱かれ、えりサンはお兄の腰に腕を回し額を肩に…。アルコールが入って、適度に血流のよくなったお兄。お互いの肉体を遮るのは、お兄のTシャツと、えりサンの薄手のキャミソールワンピだけ。

チンッ☆
エレベーターの扉が開くと中は無人。四方がベージュの壁に囲まれた、狭く閉ざされた一角。邪魔もののいない、2人だけの空間、2人っきりの密室。

ガタン☆
扉が閉まると同時に、重なり合う全身、絡まり合う両脚、覆い被さる唇。7階から1階までのエレベーター内の数十秒間が、私達2人だけの秘密の時間。閉ざされた空間内に、密着し融合しあう2つの呼吸音が充満する。監視カメラの有無?知ーらない♪ていうか、観られてたらかなりヤバめ。………6階、………5階、………4階、………3階、………2階、……… 。

ガクンッ☆
1階に到着したエレベーター。扉が開く前のほんの刹那、あたふたと身嗜みを整える2人。汗ばんだ頬に張り付いた前髪を、そそくさと指先で耳に掛け直し、二の腕までずり落ちた、細いキャミソールとブラの肩紐を急いで右肩に戻し、両方の胸の位置を、キュキュッと軽く寄せ直し(貧相なりにネッ)、ワンピースの裾が捲(めく)り上がってないかチェック、腰骨のラインから、少ーしだけずり落ちたショーツの位置を、手早く指先で引っ張りあげ、心持ち熱くなっちゃった下半身をバッグで隠しつつその間、ほんの0.5秒くらいの早業(笑) 。

チンッ☆
扉が開くとそこには、エレベーターの到着を待っていた数人の男性グループ。なぜだか一斉に!えりサンに視線が集中!全員の男性の目が、えりサンの顔→胸元→太腿→と来て、そのまま肩から背中にかけて凝視!ちょっと汗ばんで紅潮気味の表情を隠しつつ、俯いたままお兄に隠れつつ手を引かれ、その男性たちをよけながら、早足にエレベーターを降りるえりサン。なぜか背中に感じる視線が熱い。え?エレベーター内でイ・ケ・ナ・イ事をしてたの…ばれちゃった?

数歩進んだところで、ふと振り返るお兄。街路に出ようとしたえりサンを引き寄せ、喧騒から逃れるように、ビルの物陰に。
お兄「えり。」
えり「///え?」
お兄「背中。」
えり「…?」
お兄「ブラジャーのホックが外れたまま。」
えり「まーーーーぢーーーーーーでーーすかーー?

アセアセしながら背中に手を回し、急いでホックを留めながら…。
お兄「ホントに裏側…アニマル柄なんだネ。アハハハハハ。」
えり「うっそーーー。なんか肩紐がひっかからないと思ったらー。後ろが外れてたからーーー???やっばー、さっきの男の人たちに見られちゃったかな?」
お兄「うーん。多分大丈夫じゃん?一応オレの陰に隠れてたし、あー、でももしかしたらー。」
えり「うっわー。見られてたら超恥ずかしいーー!」
お兄「恥ずかしいんだ?オレには散々見せまくってたくせにー(笑)。」
えり「お兄ったら!もう、意地悪!!」

お兄になら全部見せたって全然OKなのっ!隅から隅まで…ネ♪


8月【真赤な日焼けの痕】に続く

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205、【真赤な日焼けの痕】紫煙と香水・8月

4月 【琥珀色の染み】←最初から
5月 【青いワイシャツ】
6月 【銀色のサンダル】
7月 【翠色のキャミソール】
8月 【真赤な日焼けの痕】←今ココ
9月
10月
11月
12月


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

高校生当時に使っていた手帳、スパンコール風のビニールの表紙。友達の電話番号や、アドレスの管理、カレンダーに予定を書き込んでのスケジュール管理。写真を挟んだり、プリクラを貼ったり、あとその日のちょっとした出来事なんかを書き留めたり、そんな日記的な使い方もしてたりしてて。



……………………

当時の、年齢が一回り以上離れた彼氏…お兄(ニィ)。そのお兄との会話。
えり「こないだ、セブンに行ったらサー。」
お兄「セブン?何?」
えり「え?コンビニ。」
お兄「それを言うならイレブンだろ?」
えり「えー?セブンだよぅ」
お兄「いやいや、イレブンだって。」
なんて会話の端々に、微妙にジェネレーションギャップを感じる2人(笑)。

そんなお兄とデートした日は、手帳のカレンダーの日付の欄に大きな☆のマーク。エッチをした日には、☆の上に更にラメのハートのシール。お兄の部屋で、初めてエッチをして以来、殆ど☆のマークが書かれた日には、ハートのシールも一緒に貼られるようになりまして///。そんな、貼られたハートのシールの数が、5~6コを数えた頃のお話し。8月になったばかりの、夏休み真っ盛り!夏と言えばやっぱ海!


☆☆☆☆☆☆☆☆☆

少し襟足が伸びてきた。でも、まだまだボーイッシュな感じのショートヘアー。PIKOのピンクのTシャツに、デニムのホットパンツ。夏だもん、両腕・両脚は全露出。素足にグラデーション風スカイブルーのサンダル、日除けに鍔の大きな白い帽子。胸元に揺れるネックレス。左手薬指には、お兄とお揃いの、細めのシルバーリング。水着とタオル、着替えと化粧品と日焼け止め、飴とガムとじゃがりこ(←コレ必須!)、お茶のペットボトルを詰めたバッグを抱え、お兄のクルマの助手席へオン!

早朝5時に待ち合わせた、初の遠出のドライブ。運転席には、レイバンを掛けた、咥(くわ)えタバコのお兄。妙にテンションの高めな2人。他愛のない会話で大盛り上がり、車内に流れるミスチル・サザン・安室ちゃん・スピッツ・ELT等々。窓を開け、帽子を抑えながら、早朝の、ちょっとひんやりとした風に髪を靡かせながらのドライブ。サイタマ県から都心を抜け、千葉の海まで約2~3時間。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

白い砂浜、強い日差、潮の香りの心地よい浜風、寄せては返す波の音、漂うコパトーンの香り。太陽の下で、初めてお兄に見せるビキニ姿。熱せられた砂浜にシートを敷き、帽子を目深に被り、大きめのタオルを肩に掛け、お兄のレイバンを拝借して猫背風に体育座り。波に戯れる小さな子供連れの親子や、ビーチバレーに興ずる学生(?)の団体サン、パラソルを立てビーチチェアを2つ並べて肌を焼くカップル。遠い波音に耳を傾けながら、そんな風景を漫然と眺めてました。

すぐ横ではお兄が、浮輪を枕に顔の上にタオルを敷いて熟睡中。半ズボン風の腰履きの海パン、オイルを塗りこんだ痩せた肢体、じりじりと肌を焦がす紫外線。毛穴から噴き出た玉状の汗がサンオイルと混じって、焼けた肌を流れ落ちていく。途中何度か暑さで目を覚ますと「あっちぃぃー。汗かいたーーー!!ちょっと海入ろうゼ~。」と 、半ば強引に手を引かれ波打ち際へ。「うひょぉぉぉ。気持ちイイーーー。」「冷たーい、でも気持ち良いねー。」と2人で海へ。浮輪に掴まり暫く波に漂い、充分に火照った身体を冷ましてから、そのまま再度砂浜へ。

シートに仰向けになったお兄の全身に、オイルを塗リ直してあげるんだけど。
お兄「ちょ!くすぐったい!やめっ///そ!!!そこわぁぁ!!!ちょ待て待て!だだだだだだだ!!!駄目だって!!そこは自分で塗るからいい!」
えり「いいからー!えりサンが塗るの!!!ちょっと大人しくしててよぉ!」
お兄「じゃ!今度は俺が塗るからな!そこに寝ろ!」
えり「恥ずかしいからヤダ!」
お兄「何言ってんだよぉ!」
えり「どうせエッチなこと考えてるんでしょー?」
お兄「え?ち…?ウッキィィィ!!!!」
なんてバカ騒ぎしつつ過ぎていく楽しい時間。

太陽が天頂に差し掛かった頃には、海の家で軽く昼食。何枚かの水着のショットをカメラに収め、そのままシャワーを浴びて
午後イチには、もう帰途に着きました。お兄曰く、「海に行くなら、まず!朝早めに海に着いて、午前中にがっちり焼いて、午後イチまだ渋滞のない時間に地元に帰り、その後は地元でご飯を食べるなり、飲みにいくなり…。そのパターンが王道!」へー、過去の経験が豊富でらっしゃる。いろんな女性(ヒト)と海に行ったんだネー。ま別に、いいんだけどサー。そのまま15時頃には地元に辿り着き、あとはお兄の部屋でまったりしてましたー。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆

日中、あんなに照りつけていた太陽。夕方頃になると、いきなり分厚い雨雲が空を覆いはじめ、えー?なんか外暗いなー。と思ったら、バチバチバチバチバチバチーーーー!!!!って、一気に地面に激しく叩きつけるような集中豪雨。お兄がシャワーを浴びた後、えりサンも、軽くシャワールームでスキンケア。日焼け止め…かなり塗りたくってたんだけど、それでも頬と鼻の先端が、少し赤らんでて。胸や肩が結構赤め。鏡越しに振り返って見ると、背中やビキニラインにも結構 、水着の痕がくっきりと付いちゃったナー。まぁいいかー。

日焼けの痕を刺激しないような、ちょっとゆったりめのワンピースに着替えて部屋に戻ると。お兄ったら!テレビを点けっぱなしで、大きめのバスタオルを一枚、腰に巻いただけの格好。2人掛けのソファーに少し浅めに、大股を開いて大の字に座ったまま
熟睡中。ビールの空き缶が既に3本。…って、ペース早クナイデスカ?顔が赤くテカってるのは、日に焼けたから?それとも酔ってるから?

冷蔵庫からペットボトルのお茶を取り出し、そのままお兄の隣に、ちょこんと座るえりサン。軽く寝息、シーブリーズの香りの漂う、真っ赤にテカった全身。少しだけ割れてる腹筋、首に下げたネックレス、お臍の真下、腰周りに緩やかに巻かれたブルーのバスタオル。寝返りを打つと、チラッと覗き見えちゃう、水着の日焼けの跡がくっきりと付いた太腿!///日に焼けた真っ赤な肌部分と、焼けていない白い肌部分の境界線。って、ちょっと!!!!軽く寝がえりを打った際、バスタオルが、するりと外れそうになっちゃって。超見えそうなんですけど!ナニガ?ナニガ…?思わず手を伸ばして、バスタオルを掛けなおそうとした瞬間、指先がほんのちょびっと、お兄の太腿に触れちゃって。

お兄「ななななななな!!!何何何?」
一瞬で飛び起きたんだけど、あまりの反応に、逆にこっちがびっくりサ。
えり「え?あ、ごめん。起こしちゃった?いやー、何か見えそうだったからサ…(照)。ていうか凄いね、太腿くっきり色分けされてるなーって思って。」
お兄「ん?あー、確かにそうだなー。上の方も結構…。」
と、腰周りのバスタオルを下にずらすと、ちょうど、お臍の真下あたりに、くっきり引かれた境界線。
えり「凄ーい。日に焼けたトコ…真っ赤っかだねー。」
お兄「ちょっと焼きすぎたかな?」
えり「もとは、こんなに真っ白だったんだね。くっきりと違いが分かる。」
お兄「えりはどうヨ?ほほう、既に鼻の頭がちょっと赤いナ。」
えり「お兄ほどは、焼けてないと思うけどー。」
お兄「どれどれ?肩とか見せてみー。ふんふん?」
えり「あ♪ちょ…。もぉー。」
お兄「お?結構焼けてるなー。ちょい背中向けけてみて。」
えり「…もぉ。嫌だぁ…♪」
お兄「なんか、いい匂い。」


……………

摺りガラスの外は、未だ続く土砂降りの雨。時折、雨粒が窓ガラスに、バチバチバチバチバチバチと弾けて、テレビの音を遮る。いつも、えりサンの髪の毛とかに、鼻を近づけてスンスンするのがお兄の癖。髪の毛から、首筋から、肩へと、お兄の鼻先が移動してくるといつしか2人、無言のまま呼吸音だけが荒くなってくる。

ソファーの背もたれに向かって、両手をつき膝をつくような半立ちの体勢。そのまま、背中に抱きついてきた、バスタオル一枚腰に巻いただけのお兄。荒い吐息、あ…酔ってるナー♪とか思ったら、一気にワンピースの背中のファスナーを、腰の所まで下ろされ、そのまま背中のブラのホックまで外されちゃって。って、もぉ!早業すぎぃぃ!

ちょっと赤らんでヒリヒリする肩口。水着の肩紐に沿ってできた白いライン。肩甲骨から背骨、戻って脇の下の日焼けの痕を、忠実にそして丹念に這う、お兄の舌先。後ろ向きに窓ガラスの外を見つめた状態で、身動きができないように、背中越しに抑えこまれて色々(?)されるのって、何かちょっと初めての体験。

後ろから二の腕を軽く持ち上げられ、脇の下から、すすすすすすって、ゆっくりと滑り込むように入ってくるお兄の両腕・両掌。えりサンの、日焼けしていない白い両胸が、両方の五本の指で軽く包み込まれ、、柔らかく掴(つか)まれ、そっと揉みしだかれ、ゆっくりと敏感なトコ(先端)を弄(まさぐ)られちゃう…と♪すでに、もう…♪全身が準備万端状態。

ワンピースを剥がされると、両手をつき、腰を突き出すような姿勢のままショーツをずり降ろされ、同時に脊柱から腰へと降りてくるお兄の舌先と吐息。少しヒリヒリする、軽く焼けたウエストを通過すると。いつの間にか、日に焼けていない白い部分…にまで…。
お尻…にまで…。その先の…内腿の隙間…にまでーーー!どんどん、身体が熱くなってきちゃうのは、日焼けのせい?それとも、お兄の甘美な舌先と指先のコンビネーションのせい?


☆☆☆☆☆☆☆☆☆

いつの間にか止んだ雨。濡れたガラス窓。電気のついていない薄暗い天井。汗とシーブリーズの匂いの混じり合った室内。ソファーの下に投げ置かれた、ブルーのバスタオル、オフ白の薄手のワンピース、丸まった男女の下着と、ティッシュの残骸と使用済みのコンドーム。

日焼のせい?なのかな?身体がちょっと興奮冷めやらぬ…って感じ?何か火照りが収まらなくって…。煙草を吸い終えたばかりの、汗ばんだ全裸のお兄を、半ば強引にソファーに仰向けに座らせて。そのまま床に跪(ひざまず)き、日焼けしていない、お兄の下半身の、白い素肌の部分を、ゆっくりと心を込めて、舌で拭(ぬぐ)ってあげました。

初めて口に含んだ男の人の下半身。「え…ちょっ!」お兄…、最初はびっくりしてて少し後ずさり。「…いい…の?」と、何か恥ずかしがっちゃってちょっとモジモジ。でも暫くしたら、ちょっと観念したように大人しくなって、そのまま黙って、身を任せてくれた。ちょっと一瞬、苦しくて息が詰まりそうになったりしたこともあったけど、でも最後は、残さずに全部受け止めたし、全然嫌じゃなかった。寧ろ、委ねるようにえりサンのお口の中で果ててくれたことに、愛おしい気持ちが何倍にも増幅しちゃった。

その日は手帳に、ハートのシールを2枚貼っちゃいました。

ほとんど一日置きくらいのペースで、手帳にハートのシールが貼られていた日々。その頃が一番、心も身体もシンクロしあってた時期だったのかもしれない、今思えば。


9月【ゴールド・ランジェリー】に続く

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206、【ゴールド・ランジェリー】紫煙と香水・9月

4月 【琥珀色の染み】←最初から
5月 【青いワイシャツ】
6月 【銀色のサンダル】
7月 【翠色のキャミソール】
8月 【真赤な日焼けの痕】
9月 【ゴールド・ランジェリー】←今ココ
10月
11月
12月


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

10代の頃って、眠っても眠っても、それでも眠り足りない…そんなお年頃。でも、遊ぶ時は平気で、連続でオール(徹夜)とかしちゃうんだけどネー。まだ残暑厳しい9月上旬。前の晩、明け方近くまで夜更しした、日曜日の昼過ぎ。じんわりと汗ばむような日中の暑さに耐え切れずようやくベッドから抜け出して。腰履きした 、ゴムの伸びきった、ダボッとしたグレーのハーフパンツ。おヘソがチラ見えの、洗濯しすぎて縮んだ、色褪せたタンクトップ。寝癖でクシャクシャの前髪を、カチューシャで後ろに纏めると、必然的に額は全開。元々薄い眉毛は、スッピンだと殆ど無いに等しい状態(!)。よく「低血圧でしょ?」って言われるくらい、不健康そうな蒼白い表情。

そんな感じで、のそーっと階下のリビングに下りてきて、お昼のバラエティー番組を観ながら、シリアルを食べていると、後ろから 、えりママに「どうでもいいけど、あんた最近 下着が随分ハデになったんじゃないの?」とか言われまして…。えー?って見たら、タンクトップの隙間から、肌蹴て摺り落ちた、濃紺と金色のチェック柄のブラの肩紐。猫背でイスの上に胡坐(あぐら)を掻いて座ってたもんだから、スエットが、完全にローライズ気味。半分覗いたお尻を覆うサテン風真紫色のおパンツ…(赤紫のリボン付き)「せめて、パパが居る時は、そんなだらしない格好しないようにネ。」
と釘を刺されちゃいましたー。ハイ サーセン(笑)。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

お兄と付き合い始めて既に5ヶ月目に突入。この4ヶ月間は、15歳のえりサンにとっては、ありとあらゆるコトが、すべて初体験尽くしのそんな日々。初めてのドライブ、初めての男性と2人きりの映画鑑賞、そして初めての煙草の味のするキス。…苦くて、渋くて 、でも嬉しくって。初めて入るラブホテル、初めて見る大人の男性の下着姿、家族以外に、初めて見せる全裸の姿、初めて触れた………素肌、そして…触れられた色々な所///。その時は上手くできなかったけど、でもその失敗が私たちの絆を、より強くしてくれた。いつしか、自然のまま、求め合ったお互いの心と身体。初めてお兄の身体を受け入れたのは、学校帰りに寄った、お兄の部屋の、硬いシングルベッドの中。ベッドの軋む音と、荒い呼吸音と、窓の外の雨の音の三重奏。

きちんとした服装で向かい合わせに座った、フレンチののフルコース。2人共上下ジャージ姿のまま、並んで座った牛丼屋さんのカウンター席。どちらも超新鮮な体験。お兄の部屋の合鍵と、左手薬指に付けたシルバーリングと、16歳の誕生日に貰ったネックレスは、大事な大事な宝物。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

夏休み中は、時間的にほとんどフリーだったえりサン。バイトしてるか、お兄と一緒にいるか、お兄と電話してるか、眠ってるか、くらいの時間の過ごし方。でも二学期が始まると、また夏休み前みたいに、お互いに、仕事と学校とバイトと、そのスケジュールの合間を縫っての逢瀬になっちゃって。最初は、お互いに私服に着替えてからのデートだったんだけど、だんだん面倒臭くなってきちゃって…。いつしか向こうはスーツ、こっちは制服のまんまでデート。

その方が、お互いに無理がないっていうか、普通っていうか、楽だったし、学校の制服のままでも、見咎められずに入れるラブホテルを、発見したから…っていうのもアリ(笑)お互いに時間短縮になったし、仕事(学校)が終わったら、そのまんまの服装で即会えたし。

まー、サ。お兄の顔を見上げながら、首に巻かれたネクタイを解きつつ、ワイシャツのボタンを、一つ一つ外していくのが好きだったし。ベルトを外して、ファスナーを下ろしていくのが好きだったし。お兄を壁に押し付けて、立ったまま
厚めの胸板を、指先で弄んであげるのが好きだったし。そんな乳首の輪郭を、舌先で何回もなぞるのが好きだったし。尖った乳首の先端を、舌先を転がしたりするたびに、軽く反応するお兄の吐息や表情を、上目遣いに見るのが、大好きだったし。跪(ひざまず)いて、お腹や腰骨付近に舌を這わせながら、片手を添えて、下腹部をお口に含んじゃったりして。舌を動かしながら、吸い上げたり、甘噛みしたり、擦りあげたり、一生懸命に色々やってみると、頭を撫でられながら「えりは上手だね。」って褒められるのが嬉しかったし。

逆に、ベッドに寝かされて、ブラウスは着たまま、指先を滑り込まれて、ブラジャーだけを外されるのが、ちょっと刺激的だったし。スカートを履いたまま、ショーツだけを下ろされるのが、なんか妙に興奮しちゃったし。ブラウスやスカートを脱がされた後も、最後の最後まで、ルーズとローファーだけは脱がしてもらえない時なんか、妙にヘンな感じだったし、で…ヘンに感じちゃったし(え


首筋から胸元にかけて、素肌に鼻先を触れると、いつも感じる、お兄の匂い。煙草と汗と、ボディーソープ(コロン?)とワイシャツのアイロン糊。そんなモノが混じった独特の香り。間近で、お兄の全てを見て聴いて嗅いで触れて味わう。(←?)そんな風に、五感をフルに活用しまくっていた。そのくらい濃密だった。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

えりサンは、平日は学校、火曜と木曜が夕方からバイト、週末や祭日はほとんど毎週バイト。門限は22時(一学期は21時だったけど、二学期になってちょっとだけ延長。)お兄は、休みが不規則(平日だったり土日だったり)、勤務時間も不規則(早番・遅番・深夜番などなど)。なので、会えるのは平日の夕方から22時までの間。えりサンが、バイトのない日で、学校の授業が終わった後、なおかつ、お兄が早番で15時頃退社できる日か、仕事がお休みの日。お兄が仕事が休みの日は車で拾ってもらって、そのままドライブしたりするんだけど、その時期、休みが殆ど取れなかったお兄。大抵は、お兄の仕事が早番の日、えりサンの授業が終わった後、都内のターミナル駅で、仕事帰りの、スーツ姿のお兄と合流することが多くってネ。

落ち合うと即、お兄の腕に掴まって、制服姿のままはしゃぐ私。一緒に地元まで帰って、お兄の部屋でまったりすることもあれば、そのまま駅を出て、繁華街をウインドウショッピングしたり、映画観たり、ご飯食べたり、お茶したり、ゲーセン寄ったり、ほんと色々。

ある日、繁華街の路地裏に見つけた、こじんまりとした、小さなランジェリーショップ。
えり「ねえねえ、ちょっとサ、ここ覗いてみたい。」
お兄「え?いや…じゃあ、えり1人で見といでよ。オレここで待ってるから。」
えり「えー?何でー?一緒に入ろうよー。」
お兄「いやいや。ヤバイだろうがー男が入るのはー。」
えり「そう?何で?」
お兄「えーー、だってさー。」
えり「私と一緒なら大丈夫だって。普通にカップルとかで入るでしょー? 」
お兄「そ…そういうモン?かなー。」

えり「ていうかーー、興味ないワケー?」
お兄「…え何?」
えり「興味ないの?」
お兄「興味って…?女性の下着に?」
えり「『女性の』じゃなくって! 『えりの』下着!」
お兄「え、あーー。まあ、うんー。」
えり「えりが、お兄の前でー、お兄の前で『だけ』見せるー。そんなせくしぃ♪なぁらんじぇりぃ♪とかぁ、すきゃんてぃ♪とかぁ、ぱんてぃ♪とかにぃ、興味ないんだー?ふぅーん。」
お兄「興味あります スミマセン。
えり「よろしい(笑)。」

と、お兄の腕を引っ張り、ていうか引きずり込みつつ、2人で並んで入った、カラフルで、フェミニンで、お洒落な、ちょっと派手目なアイテムの並ぶランジェリーショップ。

キッチュでポップな原色プッチのミニスリップ。リボンのついた大人可愛いペチコート。ペイズリー模様のカラフルでラブリーなキャミソール。蔓草模様の刺繍の入ったモノトーンの魅惑的なビスチェ。メルヘンチックでファニーなグレンチェックのチューブトップ。ブリリアントで乙女チックな水玉模様のテディ。ケミカルシフォンの魅惑的な豹柄のTバック。ストライプのローズフリルの刺激的なソングや、官能的なシルクのゼブラ柄のタンガ。淫靡でエレガントなマーブル風スーパーハイレグ、淫猥でモダンなブラジリアン、チャーミングでファンシーなダルメシアン柄オープンショーツ、薔薇のジャガードレースをあしらったサテンのフレアパンティ。サテンストライプのセクシーなハーフトップに、モザイク柄ベロア地の悩殺的なオープンブラ。ちょっと小悪魔的なトップレスや、レース風の艶めかしい紫色のシースルーのブラ。黒革のハート型フロントコルセット。ファンキーで艶っぽいギンガムチェックのGストリング、妖艶なサスペンダーショーツ。などなどなどなどなど。もう選り取りみどり、選び放題。

色々見比べつつ、楽しくお喋りしながらの物色♪「ねー、これなんかどうかなー?」「これ可愛くなーい?」「こ…こんなのほとんど裸じゃんねー?」「こういうの履いたら…何か興奮するよネー♪」なんて、お兄の腕につかまって、チラチラ反応を見つつ、少し胸を押し当てつつ(笑)。無いなりに←やかましーワ。

小一時間見て回って、その場でおねだりして、お兄に買ってもらった、セクシーランジェリーひと組。肩紐に可愛らしいレースフリル。フロント部分に付いてるハート型の金色の金具が超キュート。カップ上部に、綺麗にビーズとラインストーンが散りばめられた
アラベスク風の刺繍の入った、全体的に金色のサテン地のブラ。&細く黒い腰紐部分に、フェアリーなレースが遇(あしら)われ、全体の色は、ブラと一緒で、光沢のあるゴールドのサテン、フロントには全面にピーコックの刺繍。小さな愛らしい黒いリボンのついた、T字部分には光るシェル模様の金具の付いた、ちょっと小さめなTバック。乙女可愛くって、ちょっとセクシー。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆

ファストフードで夕飯を済ませ、都内から一緒に電車に乗って帰路に付く2人。軽く帰宅ラッシュの中、吊皮につかまるお兄に、ピタッと身体をくっつけて、周囲の人に聞こえないように、お兄の耳元に、唇を寄せ、そっと小さく呟く「可愛いヤツ、買ってくれて、ありがとネッ♪」「早く、着てみたいナ☆」「お兄、喜んでくれるよネ」「あんまり、早く脱がしちゃイヤだよ。クスクス」少し胸を押し付けつつネ(笑)小さいなりに←ウルサーイ。


………

お兄の部屋に着いて、買ってもらったゴールドちゃんを早速、お風呂場で装着してみた(嬉)。鏡の前、ていうか隠す所少な!!!!!!ちょ!何かはみ出そうな(ナニが!?)、何か食い込み具合がどうも(ドコに!?)、ていうか、なんかこういう下着って、大人の女テイストーー♪何か下着姿だけ、っていうのも恥ずかしいから、その上にまたブラウスとスカートを履き直して、お兄のもとへ。お兄ったら、ショップや電車の中で、色々意地悪されたお返しに、って、ベッドの中、寝乱れた状態のえりサンを、散々焦らしまくるんだけど。

でも、ボタンの外された肌蹴たブラウスも。ラブリーなゴールドのブラジャーも。姫カワ系な金色のTバックも。中々脱がしてくれないのーー。ずぅぅぅぅっと、全身至る所にキスされて、キスされまくって、ホント小一時間、いろんなポーズにさせられて、焦らされまくって。もう、おかしくなりそうなくらいほんとにヤバかったーー(笑)。ひさびさのエッチだったんだけど、お兄張り切りすぎぃーーーー♪えりサン、声出しすぎぃーーー♪汗かきすぎぃーーー♪


☆☆☆☆☆☆☆☆☆

その頃の2人、バイトや授業や門限や仕事、お互いにそんな障壁を乗り越えて、どうにかしてスケジュールが合わせられたのは、せいぜい週に1~2日。しかも、一緒に過ごせるのは、ほんの4~5時間程度。でも、だからこそ、宝物のような貴重なその時間を、2人共、大事に大切に健気に共有してたんだよネ。多少無理をしてでも…。


10月【ピンクのエプロン】に続く

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207、【ピンクのエプロン】紫煙と香水・10月

4月 【琥珀色の染み】←最初から
5月 【青いワイシャツ】
6月 【銀色のサンダル】
7月 【翠色のキャミソール】
8月 【真赤な日焼けの痕】
9月 【ゴールド・ランジェリー】
10月【ピンクのエプロン】←今ココ
11月
12月


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

乙女座のえりサンの、16歳の誕生日はお兄と一緒に祝った。初めてのフレンチのフルコース、ノンアルコールのシャンパンで乾杯。ビシソワーズっていう名前の響きになぜか感動。シルバーの使い方を、こっそりと教えてもらいながらの食事(汗)。デザートのケーキが超美味だった(嬉)。欲しかったネックレスをプレゼントされ、かなり有頂天。その晩は、お兄の部屋に初めてお泊り(誕生日だってコトでちゃんとママの許可を得てネ)。2人でずっと、夜更け近くまで語り合った。

翌日、お揃いのジャージの上下を着て、近所の県道沿いの牛丼屋さんへ、当然胸元にはネックレス。お客さんは自分以外全員男性。カウンター席に2人並んで座って、初めての牛丼。お兄…なんか食べるの早くない?ちょっとフレンチとは違った、別の緊張感みたいなものがあった(笑)。お兄は紺地に黄色のライン、えりサンは薄ピンク地に白いラインの入った、お兄の部屋に泊まるとき用にって、お揃いで買ったワンサイズ上のアディダスのジャージ。他に買い揃えたのが、歯ブラシとスリッパとマグカップと、あと、えりサン専用のエプロン。



夕方、狭いベッドの中で抱き合いながら、お兄のことを『パパ』って呼んでみた。言ってみて、何か凄い幸せ感に包まれた。全身を広げて、お兄を受け入れる度に、『パパ…パパァ♪…/// …パパ♪』って何度も何度も呼んでみた。いつもより長く、荒々しく前後していたお兄が最後に力尽き、そして、えりサンの胸へと倒れこんでくる。ねっとりとした、汗ばんだ素肌を重ね合わせ、荒い呼吸音と、激しい鼓動を直に感じつつ、お兄の髪の毛を何度も何度も撫でてあげる。身長差が20センチ以上あって、年齢差も13歳。普段は子供扱いされっぱなしのえりサンだけど、ただ果てた後のお兄を抱きしめている時間だけは、お兄のことを小さな幼子のように、温かく、身体全体で抱擁してあげてた、いつも。そんな疑似同棲を楽しんでいた、夏休み後半から9月の上旬くらいまで。


☆☆☆☆☆☆☆☆

二学期になると、フルタイムで働いている社会人(お兄)と、学校とバイトとそして門限アリの高校生(えりサン)。お互いに会える時間は、非常に限られてくるわけで。なので、何とか遣り繰りして、たまにデートできたりすると、ついつい盛り上がっちゃって、別れ際が辛くなっちゃって、色々駄々こねちゃって、家の前までは車で送ってもらっても、なかなか降りられなくって、そのまま門限を大きく過ぎちゃって。結局いつも門限過ぎの帰宅。結果毎回、えりママの落雷!→大喧嘩!→冷戦!のループ。さすがに、門限破りが2~3回続いちゃったあたりで、かなり激怒。「次に門限破ったらバイト禁止!門限も18時!!」とか言い出されちゃうと…さすがに大人しくするしかない訳でして。でも、会いたい訳でして、会えない訳でして、ますます燃えちゃう訳でして。

で、えりサンが考えたのは、門限の夜22時以降の外出は、さすがに、えりママが許さないから、なら…逆に早朝ならどうなの?って事。同じ市内に住むお兄、帰宅時間は、深夜近くが結構ザラなんだけど、そのかわり、朝は少しゆっくりめに出勤できる職種。なのでえりサン、早朝(?深夜)3~4時くらいに起床!→制服に着替え→教科書をカバンに詰め→「今から行くよー♪」ってメールを入れて→こっそりと出発!そのまま、通学路から外れること約30分の。真っ暗な道程をチャリで疾走!

お兄が起きててくれれば、朝まで一緒に話しこむこともあるし、逆に熟睡してれば、こっちも一緒に添い寝、もしくは、えりサンは邪魔しないように、一人で試験勉強したり、雑誌読んだり、ビデオ見たり(静かにネ)。で、時間になったら、そーっと部屋を出て行く、ってパターン。おっと「行って来ま~す(はぁと)」のチュッは忘れずにネ。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

ある、まだ暗い(早)朝。凍てつくような、冷気と小雨交じりの中、自転車でお兄のアパートへ到着。見上げると、電気が点いてて「あ、今日は起きてるー。ラッキー。」って思いつつ、合鍵で扉を開け、スリッパをつっかけて室内へ。ちょうど、お兄、シャワーを浴びてまして。コンコン、ユニットのシャワールームの摺りガラスをノックしたら、「おー。ごめん。今(風呂)入ったとこなんだー。そこら辺に座ってってー。」

お兄の部屋、いつも通りの、ステンレス製の棚に整然と並べられた、テレビとビデオデッキとオーディオのセット。その対面に、フローリングに直に置かれた黒革のソファー。テレビとソファーの中央に置かれた、丈の低いガラス製のテーブル。マフラーを解き、上着を脱ぎ、傍らのハンガーに掛け、セーターとスカートの上から、えりサン専用のピンクのエプロンを装着。乱雑に置かれた、ビールの空き缶や、コンビニ弁当の空の箱や、おつまみの空袋等々を、キッチン脇のゴミ箱に片付け。

シンク内に大雑把に置かれた、グラスや食器やフォーク類を洗い流す。お湯を使うと、シャワーの水圧が下がって、お兄に迷惑かけちゃうから、気を使って冷たい水だけで洗う訳。…少し健気でしょ?大きめのクリスタルの灰皿に溜まった、数本の吸いがらを捨て、綺麗に汚れを落とす。シャワールーム内の水の跳ねる音を聴きながら、鼻歌交じりに、拭き上げた食器を棚に戻したり、クイックルワイパーで床掃除をしたり、細々とした家事をしつつ。そんな、早朝の通い妻・えりサン。

粗方片付いた後、2人掛けの、大きめのソファーに座って、お兄が出てくるのを待ってたんですネ。テーブルに置かれた、煙草の箱とシルバーのジッポー、近所の24時間営業のレンタルビデオ屋サンの袋。中身は、どうやらビデオのケースが3本(当時はまだDVDじゃなかったのネ)。結構、映画とか観るのが好きなお兄。何借りてきたのかなー?って覗くと、戦争モノの映画とー、アクションモノの新作映画とー、あとー、アダルトなヤツ。ていうか、アダルトなヤツ…。パッケージが空なんですけどぉ///


こっそり、リモコンを手に取り、ビデオデッキとテレビモニターの電源を、オンしてみた。大き目のテレビモニターに映し出された、華奢で、茶髪セミロングに、スケスケギリギリの下着を身に纏った、可愛い系の女子!とー!!!ちょっと筋肉質のー、日焼けした、オールバックの、オイリーな素肌のー全裸の男性!がー!!!いきなり、あwせdrftgyふじこ状態!!!「あああんん!!!」とか流れる女性の声!!!うわわわわ、って焦って音量ボタンを下げる。

……
お風呂場のお兄には聞こえてないよね?って軽く耳を欹(そばだ)てつつ。ちょっとだけ音量を上げる。ブラウスにセーターにスカート。ルーズソックスにスリッパ、ピンクのエプロンを着けたまま、傍らのソファークッションを引き寄せ、胸元に抱えるようにして体育座り。そのまま、テレビ画面を 、
凝視!直視!注視!
注目!刮目!瞠目!!!!
集中!熱中!没頭中!!!


うわー。すごい!し…舌ぁぁぁ♪く…唇ぅぅ♪ゆ…指先ぃぃぃ♪♪お…お<ピィーーーー>♪♪♪あ…あ<ビィィィィィ>☆☆☆えええ?そ・・・そんな所までもぉぉ?は…早いいいいい☆うわうわうわ、それマジーーー?うひゃーー すごいぃぃぃぃ☆☆勉強になるッス!とか、心臓バクバク言いながらも、1人観ていたワケですよぅ♪ウン、一心不乱。

暫くして、バタンッ、ってユニットバスの扉の開く音。慌てて再生停止ボタンを押し、あたふたとテーブルの上をふきあげる仕草。「お?何観てんのーー(笑)?」とか言いながら、お兄登場。「え!///あ!///違うヨゥ、別に…。」って慌てて起ち上がろうとするのを制止され、「ハハハハーいいよいいよ。そのまま観てなって。」大きめのジャージを履き、上半身裸のまま、肩にバスタオルを掛け、ごくごく自然にそのままソファーの隣に座り、いつものように煙草を咥え、ジッポーで火をつけ、大きく吸い込み、気持ち良さそうに、ふぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ、って紫煙を吐き出す。

リモコンを手にしたと思ったら、即再生ボタンをオン!モニター画面の中では、絡み合い、縺(もつ)れ合い、捩(よじ)れ合う全裸の男女。時折発せられる、クチュクチュとか、チュパチュパといった、艶めかしい音。関西の女優(?)サンらしく、イントネーションや発音が関西風。絞るように発せられる、上向きの善がり声。ほんのり上気した、シャワー上がりのお兄の肩口。シャンプーの香りのする短い頭髪。湯上り?酔ってる?少し赤らんだ頬。このまま沈黙はなんか気まずい。
えり「///え…っと、ビール持ってくる?」
お兄「あ、もういいや、さっき結構飲んだし。」
えり「今日は遅いんだネ。眠ってると思ってたよ。」
お兄「うん。そのかわり明日の出勤は午後になってさ。ちょっとゆっくりできるんだ、今夜は。」
えり「最近仕事忙しいの?」
お兄「まあまあネ…えりはそろそろ試験だろ?勉強してる?」
えり「ウン ご心配なくー♪」

そんな、ちょっとしばらくぶりの、恋人同士の会話を交わしつつも、オーディオのスピーカーから流れる、女優サンの大きな嬌声と、男優サンの荒い息遣いと、衣擦れの音と、激しい効果音(どんな?)。耳は完全にダンボ状態。………何となくー、そのままー肩を引き寄せられー、抱きしめられー、久しぶりのーキス(わーい♪)。音が気になるから、テレビを消そうと思ったんだけど、ちょっと強引に、お兄に両手首を掴まれちゃって、リモコンに手が届かなくって。

そのまま目を閉じると、いつしか女優サンの喘ぎ声に触発されつつ、男優サンの息遣いに共鳴しつつ、ビデオの中の、交わり合う男女の世界にシンクロしつつ。お兄に、もう一汗かかせてしまったーー///こっちも、大汗かいたけどー笑。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

少しだけ、ベッドの中でウトウトしちゃったけど、時間が来たら、ちゃんと布団の中から這い出て。ちょっと、肌蹴て、乱れて、着崩れた、ピンクのエプロンを外し。下着の着け、ブラウスとセーターを着、スカートとソックスを履き、髪の毛や身支度を整え、マフラーを巻き、バッグと傘を手に、そのまま、小雨の降りしきる中、チャリで学校に向かいましたヨー。おっと。ベッドで寝息を立てているお兄に、「行って来ま~す(はぁと)」のチュッは忘れずにネ。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

ちょうどこの頃、そんな、無理な生活が祟ったのか、風邪引いて、10日間くらい寝込んじゃいまして。当然、バイトも学校もお兄と会うことも全て禁止。自宅で大人しく静養するしかないワケで。お兄の方も仕事が急に忙しくなり始めたらしくって、メールや電話も儘(まま)ならない状態。

意識が朦朧とする中でも、お兄に、
会いたくて会いたくて会いたくて会いたくて。
会いたくて会いたくて会いたくて会いたくて。
会いたくて会いたくて会いたくて会いたくて。
会いたくて会いたくて会いたくて会いたくて。
会いたくて会いたくて会いたくて会いたくて。
会いたくて会いたくて会いたくて会いたくて。
せめて、声が聞きたくて。本当におかしくなりそうだった。

時折…、何か漠然と、お兄と、会えなくなる日が来そうな気がして。それだけが、怖くて、心配で、心細くて…。


11月【橙色の灯火】に続く

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208、【橙色の灯火】紫煙と香水・11月

4月 【琥珀色の染み】←最初から
5月 【青いワイシャツ】
6月 【銀色のサンダル】
7月 【翠色のキャミソール】
8月 【真赤な日焼けの痕】
9月 【ゴールド・ランジェリー】
10月【ピンクのエプロン】 
11月【橙色の灯火】←今ココ
12月


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

夜の国道を走る、お兄の車。運転席のメーター類だけが仄かに光る、真っ暗な車内。流れる夜景、助手席に座るえりサン。2人、他愛もない会話で盛り上がる。そんなデートの帰り、えりサンの自宅まで送ってもらう途中。運転しながら、お兄、シフトノブのトコに置いてある、煙草の箱を引き寄せて、一本取り出して口に咥える。火を着けようと、ライターを探すんだけど、前を見てなくっちゃいけないのと、手元が暗いのとで、中々見つからない。

えりサンが、即座に、ササッって、ダッシュボードに置いてあるジッポーを探し当て、キンッ☆シュポッ☆ 「ハイ♪」って、火を差し出してサ、「おお。サンキュ。」って、ハンドルを握ったまま、ちょっと斜に構えた俯き加減の、眉間に皺を寄せた横顔が、カッコよくって、愛おしくって。思いっきり上目遣いに覗き込むと、額にチュッってしてくれて…。くち、くちー♪って唇を尖がらせると、仕方がないなー…風に?フゥゥゥッって煙を吐き出した後、信号待ちの時に、火のついた煙草を右手に持ちながら、そっと重ねてくる唇。その時の匂い…、味…、渋い感じの、苦(にが)い感じの…、なんか独特な味…匂い。それが、お兄の 独特な匂いでもあったんだけどね。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

一回り以上年上の彼氏…お兄。夏休みの間中、ほとんど毎日、ご飯食べに行ったり、花火やお祭りを見に行ったり、海に行ったり、遊園地に行ったり。会えない日は、明け方まで電話で話し込んだり、そんな風にまあ、密度の濃い、楽しい40日間を満喫したんですけどね。

夏休みも終わり、高校も二学期が始まりまして。メッシュを入れていた茶色い髪の毛も 、大人しめの黒に戻し、ピアスも目立たない地味なヤツ。普段着は、ギャル系ファッションから、ブラウス・紺スカート・ルーズ・ローファーに戻り。そんな風にまた、一学期と同じような、学校とバイト先と自宅との往復の日々が始まったんだけどネ。

二学期の半ばあたりからお兄の方が、仕事がちょっと忙しくなってきたらしく、ぶっちゃけ2人、会うのに、ほとんどスケジュールの調整がつかない状態。たまたま偶然、中間テストが終わった頃、久々にお互いのスケジュールが合って、ヤッホーイ!!!2週間ぶりくらいのデートゥ♪♪


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

ワクワクしながら、学校が終わるのを待って、校門の前で、車で拾ってもらい、軽く食事して、そのままお兄の部屋へ。間接照明だけが仄かに灯る室内。ベッドサイドのフローリングに、衣類を脱ぎ散らかしたまま、久しぶりに、触れ合う唇、絡め合う両腕、縺(もつ)れ合う両脚。大柄の身体に抱きすくめられ、大振りな手のひらに揉みしだかれ、唇と舌先で吸い付かれ…舐め上げられ…転がされ…///。は…激しいよぉ…、とか思いつつ、そのまま、上下に、左右に、8の字に、何度も何度も腰を突き上げられ。ゆっくりめ…と思ってたら、急に早くなったり。前から…と思ったら、横からだったり、後ろからだったり。上から…と思ったら、下からだったりぃぃ。もう殆ど無重力状態「早くぅ♪」って、懇願してるのに、全然聞いてない振り。焦らされまくり。それなのに「ほんともう駄目!もう無理!もう…やばいよぉ!」って、哀願しても、全く止めてくれない。ちょっと、もぉ、ホントオカシクなっちゃぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ♪♪♪

そんな風に、お互い、時の経つのを忘れ、求め合い愛し合い絡み合い鬩(せめ)ぎ合い、気が付けば、首筋から胸元に残る いくつものキスマーク。シーツやカバーが、モノトーンで統一されたパイプベッドの上…。白黒のストライプ模様のシーツの上に、うつぶせの格好の全裸のお兄。隣でクッションに顔を半分埋めながら、毛布に包(くる)まって、お兄の横顔を見つめるえりサン。久しぶりだったし、

えり「ちょっと声…大きかったかな?///」
お兄「隣の部屋とかに…漏れちゃったかもネ(笑)。」
えり「嘘ー!?」
お兄「声出し過ぎだって(笑)。」
えり「誰の所為だよー(笑)。」


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

…ってサ、事前にそこまで詳細にシミュレーション(妄想///?)!!っしゃ!脳内準備は完璧!前の晩は念入りに入浴、ムダ毛も全部処理済み、下着もしっかり好みのヤツをチョイス。メールで、きちんと明日の確認☆ちょっと興奮気味のまま目が冴えちゃって、ベッドの中で少し夜更かし。当日は、メイクも、笑顔も、睫毛のカールも、スカートの短さももう!普段の3割増し!!

休み時間とかにサ、「襟原ーおまえ、背中透けてブラ丸見えだゼー。赤と黒~♪」(※襟原は えりサンの苗字ね)とか言って、からかって来るアホ男子の悪態も、今日だけは頬杖ついて、上から目線でハイハイ…、見たきゃ勝手にどうぞ~ってスルーできるくらいの余裕☆あと数時間後に、お兄に会えるんだもーん、と思ってた、まさにそんな時に!!!!!

お兄からメール受信。「ごめん!仕事が長引いてる。今日は無理そうかも。」はいいいいいいいいいいいいいい?????????ちょっとぉ!マジでぇ?って、教室を飛び出し、屋上でソッコウお兄に電話!
お兄「ごめん、どうしても、急な仕事が入っちゃって…。」
えり「えーーー?!だってー。」
お兄「ほんとごめん!」
えり「ちょっとぐらいなら、待ってるヨ、大丈夫。」
お兄「うーーん。何時になるか分らないんだよ。」
えり「じゃあさ。私が、お兄の仕事場まで行くヨ。」
お兄「今から?都内まで?無茶言うなって!で?ずっと待てるわけ?」
えり「ウン!待ってる」
お兄「深夜までかかるかもしれないし。」
えり「…そんなー。」

お兄「ゴメン。もうさ、仕事に戻らなくっちゃいけないんだ。」
えり「えーーー……やだヨゥ!!」
お兄「えり…、わがまま言わないで。」
えり「………………何かムカツクー。」
お兄「………オレだって本当は会いたいよ。」
えり「…………。」
お兄「……でも…、仕事だから…。」
えり「…………。」
お兄「……本当にごめん。」
えり「…………。」
お兄「仕事終わったら電話するから。…本当にゴメンな。」
えり「…………。」

お兄も、悪気があってのドタキャンじゃない訳だし、「うん☆仕事だもん仕方がないよね。」とか、「分った♪ お仕事がんばってネ(笑顔)。」的な?そんな感じの事が言えればよかったのかも☆そりゃ、社会人になった今ならサ、思いつくセリフだけど。16歳の
イケイケ高校生。そんな気の利いた事…、言えるはずもなく。ストレートに思いの丈をぶつけるしかない、そんなお年頃…。後に残るのは、なんかお互いに気まずい雰囲気。はっきりいって、向こうは仕事が優先の社会人。こっちは、学校とバイトと門限に縛られてる高校生。会える時間?深夜まで働いて、昼頃まで寝ているお兄(そういう職種だったので)。電話で会話するのだって、こっちが、かなり睡眠時間を削らないと無理。そのお陰で、体調崩しちゃったこともあったし。自重するよう、えりママに叱られたりもしたけど。

でも!毎日でも会いたい。ずーっと喋っていたい。ずーっと一緒にいたい。ずーっと見詰め合っていたい。24時間、ひたすら抱きしめ合っていたい。でも、さすがにそれは無理…。それは辛うじて理解できる。さすがに、そこまで子供じゃない。だから、1週間会えなくっても、2週間会えなくっても、何とかガマンできたんだけど。

でもネ。でもネ!!! もうすぐ会える!今日会える!あと数時間後に会える!もう少しで会えるぅぅぅぅ!…ってワクワクワクしてて、ウキウキしてて、もう妄想バリバリに張り巡らせてて、まさに!!!!!その寸前で「やっぱり今日は会えそうもない」それはないヨォォォォォォォォ。それ!本気で辛いって!

何度か、そういうドタキャンっぽい事があったんだけど。だから、そういうモンだと思って、そういうのに慣れなきゃいけない!と思って、その辛さともネ、戦ったんだよ私…。非力だったけど。でも、自分なりにベストを尽くしたつもり。 少しでも、お兄の感触を感じていたくって…、でも迷惑をかけたくなくって、負担を掛けたくなくって、寂しさを紛らわせたくって、自室で1人、写真やプリクラを見たり、メールや手帳や日記を読み返したり、でも満たされなくって、常に五感で感じたくって…せめて、お兄の匂いを感じたくって。

えりママの煙草…、2本くすねて、部屋に籠もって…、口に咥え、100円ライターで、先端に火を着けてみました。でも、実は煙草って、それだけじゃ火が着かないのね。アレー?って思って、お兄のスタイルを思い出し、何となく見様見真似で、火を着けながら一気に息を吸いこんでみた。瞬時に咥内に広がる渋い感覚、と同時に、即効!咽(むせ)て咳込み、ゴホッゲホッグェッホとか言いながら、咥内の煙を、即吐き出しちゃった。苦しいのと、煙が目に入って痛いのと、とにかく不味いのとで、超涙ぐみ状態。もう最悪!

人差し指と中指に挟まれた細長い煙草。燃えている先端と、反対側のフィルター部分から立ち上る、白く細い煙。味?全然ワカリマセン…。むしろ気持ち悪い系…。でもネ、お兄の匂いがした。何か、ちょっとだけ近づけたような。錯覚だったとしても、そんな何かに縋(すが)りたかった。…そんな夜だった。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆

ある日、お兄に喋っちゃった。「私だって煙草くらい吸えるんだよ。」みたいなノリで…。ちょっと構って欲しくって。少し心配して欲しくって。凄い背伸びして(実際には2~3回吹かしただけで、直ぐに火を消しちゃったんだけどネ。)

烈火のごとく怒られました。お兄テキには、『ハァ?未成年が喫煙?ナンナノ?』みたいな?『自分だって高校の時から吸い始めたって、言ってたじゃんー(笑)。』とかサ、普段なら冗談で言える間柄なのに…、何か言えない雰囲気。その場は何となく仲直りしたけど…、少しずつ、2人の関係の、何かが綻(ほころ)んでいくような、そんな感じがして…。


…………………

上手く言えないんだけど、それまでは、お兄の存在が全てだった。どんな難関も苦境も、お兄の事を考えれば、お兄のアドバイスがあれば、お兄の後押しがあれば、乗り越えることが出来た。なのに、今は「お兄に逢えない」…って事が、凄く悲しくって、切なくって、苦しくって、堪らなくって。居ても立ってもいられなくって。でも為す術がなくって。無力さと、寂しさと、心細さに打ちひしがれて。

いつからだろう?『愛おしい』存在だったはずのお兄が、なぜか『会えなくって(逆に)苦しい』存在になってしまったのは…。ついつい、寂しくって、遣る瀬無くって、行き場が欲しくって。たまたま近くに居た、優しい他の男の子に凭(もた)れ掛かってしまったのは…。

若かったから?未熟だったから?弱かったから?私だけのせい?


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

そんなことを考えながら、寒く暗い自室。膝を抱え。えりママからくすねた、2本のうちの残りの1本…。火を着けただけで、吸うでもなく指先に挟んだままの煙草。先端の、オレンジ色の灯火(ともしび)と、そこから上る、細い白い煙を眼で追ってた。

少し、視界が雲ってくる…。

そんな16歳の秋…。


12月【透明な涙】に続く

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209、【透明な涙】紫煙と香水・12月

4月 【琥珀色の染み】←最初から
5月 【青いワイシャツ】
6月 【銀色のサンダル】
7月 【翠色のキャミソール】
8月 【真赤な日焼けの痕】
9月 【ゴールド・ランジェリー】
10月【ピンクのエプロン】 
11月【橙色の灯火】 
12月【透明な涙】←最終回!


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「あなたと出遭えてよかった。今一人、瞳を閉じる。心のアルバム捲(めく)れば、煌(きらめ)く思い出たちよ。」(「my graduation」作詞:伊秩弘将 唄:SPEED)高校時代、何度もカラオケで声を枯らして熱唱した曲。「愛が芽生えたJuly。最初のkiss。2人の合図。仲直りした夜。」「遠いX’mas eve。永遠を誓ったkiss。あの日くれたチョーカー。」「愛にはぐれたtonight 。最後のkiss 。ふたりのeyes。髪をかきあげる癖。」



☆☆☆☆☆☆☆☆☆

年齢が一回り以上離れた社会人の彼氏、お兄(ニィ)。出逢った時は、えりサンが15歳、お兄が29歳。最初はウェイトレスと常連のお客さん、って間柄。少しずつお話しできるようになって、思い切ってデートに誘って(誘われて?)、お兄の車の助手席に座らせてもらって、次に会う約束して…、ちょっとキスして…、そんな感じで始まった私達。

付き合い始めた当初は、デートする頻度はそんなに高くなくって、まあ…せいぜい、月に2~3くらい?恋に恋してた女の子が、恋愛上手なお兄さんに出会って、もう!まさに「恋は盲目」状態!会う度に、どんどん心も身体も密接になっていって…。そんな状態で学校が夏休みに突入!もう!生活が激変!毎日が、眠ってるか、バイトしてるか、お兄と会ってるか、お兄と電話で喋ってるか、お兄のこと考えてるか、ぐらいな?お兄と会えない所にバイトのスケジュールを入れる、みたいな?

高校一年生の、初夏から夏休みにかけては、本当に、何から何まで生まれて初めての体験尽くし。車の助手席、どきどきしながらのラブホテル、初めて結ばれた日、キーホルダーと一緒に貰った合鍵、2人で祝った16歳の誕生日、お気に入りのネックレス、おめかしして行ったフレンチのフルコース、お揃いのジャージを着て座った牛丼屋サンのカウンター席、お兄の誕生日に「記念に」って貰ったピンキーリング、色んな秘密の共有、色んな場所で交わしたキス。

そんな、熱に浮かされたような、…まさに夢のような毎日の夏休みが終わり、徐々に暗転するのは二学期が始まってから、夏休みと同じように、頻繁には会うことができなくなって、更に輪をかけてお兄の仕事の方も忙しくなってきて、お互いにすれ違いが多くなりつつあって。エアコンのない学校の教室、あまりの暑さに、クラスの男子の目も気にせずに、制服のスカートをパタパタやってた頃。通学時、朝陽に向かって漕ぐ自転車のペダル。おかげで、スカートとルーズの部分だけが白く、それ以外がこんがりと小麦色に焼けた素足、そんな 残暑厳しい二学期の初め…。

いつしか秋風が吹き始め、ベストを着用。更にその上に、制服のジャケットを羽織るような季節を迎え、ショートだった髪の毛も、かなり伸びてきた頃、マフラーと手袋が欠かせなくなった、そんな初冬。

お兄とは、会いたいのに、中々会えなくって、大好きなのに伝えられなくって、電話で喋ってると…、嬉しいのに、何か拗ねちゃって。会えない辛さ、会えた時の嬉しさ、そんな気持ちを上手に表現できなくって。そこに、会えない時のお兄に対する、嫉妬心や猜疑心が混ざって。もう私って最悪!!!!そんな自己嫌悪までがミックス!自分自身でもコントロールできないような、超カオスな精神状態。

たまのデート、どうしても甘えちゃって、意地悪になっちゃって、ついつい愚痴っちゃって、いじけちゃって、逆に無口になっちゃって、柔和なお兄を困らせてしまう。まさに、自分で自分の首を絞めている状態。友達に相談すると、「そんな態度とってたらアンタ捨てられるヨ!」って窘(たしな)められたりして、で!大いに反省!「次にお兄と会うときは もっと良いコでいよう!」って改心して。うきうきしながらデートの待ち合わせをしている時に限って、待ち合わせ時間寸前に、「ごめん!仕事が伸びちゃってて!待ち合わせに遅れそう。多分今からだと、会えるとしても一時間くらいしか時間作れないかも。」とかメール貰うと、「ふーん。あっそ。じゃあ、もういいよ!今日は帰る。」って返信。「ごめん…。」ってお兄。

バカバカバカバカバカ!!何でもっと相手の気持ちを慮(おもんばか)って、優しく対応できないワケ!?向こうだって、悪気があってのドタキャンじゃないでしょ!!!!!って、悔やんでも、もう後の祭り。結果、どんどん気まずくなる2人の関係。


☆☆☆☆☆☆☆☆

そんな時にネ!そんな時にサ!!そんな…超弱りきってる時にサ!!!もう!タイミングが良いんだか悪いんだか…。「襟原ー。バイト帰りにサー、メシ食いにいかねー?」(※襟原はえりサンの仮の苗字ネ)って、バイト先のファミレスの、キッチンでバイトしてる、同い年の男子から声掛けられちゃったりして。まあ、普段からお互い、冗談くらいは言い合う間柄ではあったんだけどサ。あ 、でも、2人っきりで、バイト先以外で喋るのって初めてかも。

そのまま、何となく自転車で向かった、近所のバイト先とは別のファミレス。奥まった窓際の席、2人向かい合い、料理には殆ど手を付けず、ひたすら続く、えりサンの愚痴を、2時間近く黙って聞いてくれた。その男子、すごく真剣な眼差しで、すごく誠実な物腰で、すごく真摯な態度で。そのうちに、少しずつその男子と、メールや電話をやり取りするようになって。でも、そんな男子の存在を、お兄に言えなかったりする自分がいて(今までは隠し事とか一切した事なかったのに…)。ちょっとずつ覚え始めた、後ろめたさ。

ある日突然、その男子からされた告白。「俺と付き合ってくれ。」
男子「俺なら、絶対寂しい思いさせないから!」
えり「何言ってるの。私には彼氏がいるんだよ。」
男子「それでもいいよ!別れるまで待ってるから。」
えり「無理だって…。」
男子「ずっと待ってるからな!俺、本気だから!」
えり「………そんなの困るよ。」

今まで考えてもみなかった、その時に初めて知らされた、「別れる」っていう選択肢。その後もひたすら、男子に何か言われてたけれど、空しく右から左へと通り抜けるだけ。ひたすらぐるぐる回る、その「別れる」というフレーズ。結局、うやむやな態度。イエスともノーとも判らない返答。でも、その後も、何となく、お兄と会えない分その男子と会う時間が増えてきて。

ああああああああああ!!この状況は…ヤバい!非常にマズい!!!!!!と思いつつも、何かグイグイ引っ張られていく…、っていうか、安易な方に流されてしまって、自分で自分がコントロールできない。そのまま徐々に、男子と会ってる時は、お兄へのメールの返信が遅くなって(いつもメール受信したら、ソッコウ返事してたのに!)。電話にも出なくなって(授業中以外は絶対に出てたのに!)、いつしか電源を切るようになっちゃって(いつもお兄からの着信を心待ちにしてたのに!)。

そんな気配を察したお兄から、問い詰められて。その男子の事、正直に白状して。気が付いたら、俯いたまま、ボロボロ泣いてて。でも、お兄まで一緒になって泣いてくれて。その涙を見て、あ何か私、いけないことしてる…って気付いて。結局、その男子とは、もうバイト先以外では会わない…、ってお兄と約束して、メールも電話もやめてもらうようお願いしたんだけど、結構素直に男子「ウン。いいよ。分った。」って言ってくれて、何か自分の馬鹿さ加減に、またボロボロ泣けてきちゃって。

でも、お兄となかなか会えない…って状況は、ほとんど変わってない訳で。今迄、愚痴の捌け口だった男子とも連絡を取らなくなっちゃって。いつしか、どんどん息苦しさだけが増していって…。そんな綱渡りな日々。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

ある日、友達とファミレスにご飯を食べに行って、色々愚痴を聞いてもらって。「こんなに辛いなら、もう、こっちから別れちゃおうかな。」なんて、できもしないくせに強がってみたり。でも、居ても立ってもいられなくって、「ちょっと電話してみるね。」って友達を1人席に残して、お店の外の駐車場、寒空の下、時折指先を吐息で温めながら、お兄とケイタイで1時間くらい喋って。何とか2人の関係が元通りに戻らないのか…、お互い一生懸命知恵を絞って。でも、

お兄「やっぱ…俺たち、もう無理なんだよ。ごめん。」
えり「何で?」

お兄「ホントごめん。」
えり「何でそういう事言うの?」

お兄「もう、喧嘩したくない…んだよね。」
えり「…………。」

お兄「ちょっと、疲れちゃった、かな。」
えり「…………。」

お兄「…………最近、いつも喧嘩ばっかりだったしサ。」
えり「……………。」

お兄「…そういうの、もう…ちょっと。」
えり「………………。」

お兄「……………………。」
えり「……………………。」

お兄「……………………。」
えり「……………………。」

お兄「…電話、…もう切るね。」
えり「…………。」

お兄「…………。」
えり「……………そんなの嫌。」

お兄「…えり、…さよなら。ホントごめん。」
えり「…………やだやだ。」

お兄「……………本当に、本当にごめん。」
えり「…………………もう会えない?」

お兄「………………ごめん。……切るね。」
えり「………………………。」

お兄「………じゃあ。……………。」ピッ

ツーツーツーツー

そのまま、呆然と、友達の待つ席に戻ったんだけど、
友「…………。」
えり「…………。」
何か混乱してて…、でも『ああ、友達を1時間近くも放置しちゃって、申し訳なかったなー。』なんて考える余裕もあり。
友「…………。」
えり「………やっぱり、駄目みたい…。私達。」
友「……そっか。」
えり「………ていうかサ、一方的に電話切られた。なんかムカツク。」
友「一方的はないよねー。」
えり「ねー、何も途中で、勝手に切ることないじゃんネー。」

そんな強がってるえりサンに、友が
「えりサー、そんなに頑張らないでサ、泣きたかったら、泣いたっていいんだよ。

その一言に、堪えていた何かが、堰を切ったように溢れ出てきて、目からボロボロボロボロ零れ落ちる涙。くしゃくしゃになる顔。どんどん落ちまくるメイク。少しずつ大きくなる嗚咽。明るく込み合った夕食時の店内。周囲にはカップルや団体のお客さんも多数…。そんな状況でも、気にもせず、ヒトって泣けるんだ…。初めて知ったヨ。


……………

淹れたてのコーヒーのアロマ、汗と整髪料とアイロン糊の交錯した残り香り、車内に仄かに漂う芳香剤、コパトーンとシーブリーズと潮風の香り、ジッポーオイルの芳香、そしていつもお兄を包んでいた紫煙の匂い、お兄の前ではいつも着けていた香水の香り。そんな、色々な匂いに包まれていた日々。

小さな蕾(つぼみ)が芽吹いた春。そのまま、大きく花開いた夏。少しずつ綻び始め、でも何とか繕おうと努力した秋。そしてお互いを『卒業』した冬。

そんな、激動の数ヶ月間の体験は、私にとっての大切な宝物。まあ、そんなふうに、淡く切ない「宝物」として向かい合えるようになるまでには、ほぼ10年近くの年月を必要とした訳なんだけどネ。

そして社会人になった今、カラオケで、たまたま他のコが、この「my graduation」をリクエストしたりすると、じわじわとこみ上げてくる、懐かしい日々の思い出。曲が掛かると、ついつい、画面に見入り、歌詞を目で追い、オケに聞き入り、そのまま一緒に口ずさんでしまう。

「愛が芽生えたJuly。最初のkiss。2人の合図。仲直りした夜。本当に、愛してた。」
「愛してた」?と問われると、多分答えはノーだったと思う 。お兄を好きだった、「自分自身」を愛してたのかも知れないけどネ。


おしまい。

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≫ EDIT

210、【紫色のファー付きの手錠】紫煙と香水・番外

高校一年生の時、一回り以上年上の彼氏…お兄と付き合っていた頃。頻繁にデートしてた夏休みが終わり、新学期になると、お互いに学校とバイトと仕事とで、中々スケジュールが合い辛くなってきまして。それでも、どうにか調整して月に2~3回は会えてたかな?

ただ、普段会えない分、別れ際が辛くって、お兄に促されても、中々クルマから降りることができなくって、結局いっつも帰宅が遅くなっちゃってサ。ついには、えりママがマジギレ!!!!それ以来、夜22時の門限は厳守!次に門限を破ったら、2人の付き合いを認めない!とか言われちゃって、戦々恐々としていたワケ。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

久々にデートした日。外食して、お兄の部屋にお邪魔しちゃって、勢いでベッドの中までお邪魔しちゃって、そのままお兄のパンツの中までお邪(以下略)。いつしか、迂闊にもベッドで眠り込んでしまってーーーーー。ホント、そのまま気付かなかったら門限破り確定テキナ?超ヤヴァめテキナ!!!!そんな状況。そんな2人を救ってくれたのが、一本の携帯着信。

………
ヴヴヴヴヴヴヴヴ(携帯着信)
えり「ねえねえ、起きて起きてー。携帯鳴ってるヨ。」ベッドの中、寝惚け状態。
お兄「……………うん?」同じくベッドの中、半寝状態。

真っ暗な室内のベッドの枕元に、着信ランプが点滅する携帯電話。
えり「ハイ!これ。」 
手元に引き寄せ、お兄に手渡す。

お兄「ああ…、ゴメン…、えっとー。」 
寝惚けて、ファンブルしつつも携帯オープン。
えり「………。」

お兄「……ふわぃ、もしもし。」アクビしながら、
えり「………。」

お兄「…ああ、うん、どうしたの?」髪の毛を掻き掻き、
えり「………。」

お兄「…うん。…うん。…うんうん。えええええええええ?警察ぅぅぅぅ????
えり「!!!!!!??????」

お兄「で?今から?うん!うん!うん!うん分かった!了解。」ピッ(携帯オフ)
えり「ナニナニナニナニナニナニ?????ナニゴト、ナニゴト、ナニゴトーーーーー???誰誰誰ーー???」

お兄「ああ。…Jからだよ。」
えり「Jサンから?で…警察って?何で何でーーー????」

お兄「え?えーーっとねぇ…、ていうか、今何時だよ?」
えり「え?21時45分。」

お兄「マジかあああああああああああああ!!!門限まで、あと15分じゃないかああああ。」
えり「うそおおおおん!」
  

お兄「は…早く!(ベッドに)寝てる場合じゃないって!!!ソッコウ(車で)送っていくから!!!早く、服着て!!!お、おれのパンツ、どこいったああああああああああ。」


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

この、Jサンってネ、お兄の会社(都内)の同僚なんだけど、たまたま同じ地元…ってことで、結構仲良かったりして。よく、2人で飲みにいったり、遊びに行ったりしている間柄らしく。そんな2人の間に、ワタシも割り込ませてもらって、3人でご飯食べにいったりしたことも何度か…。

Jサンの年齢?たしか40歳前後くらいだったかな…多分。
奥さんアリ
息子さん2人(たしか大学生と高校生って言ってた)
カノジョ2人 ←って、コラ!!!
そのカノジョ…、1人は、
25歳の保母サン ←コラコラ!!!
もう1人は、
女子高生 ←コラコラコラコラ~ーーーー!!!!!
そんなJサン、見た目は超ダンディー。雰囲気は岩城滉一。身長が(目測)190cmくらい。肩幅が広く、シルバーグレイの軽いオールバッグ、ヴィトンのセカンドバッグを常に携帯、明るいトコにでるとサングラスになるっていう眼鏡をかけ、左手薬指には保母サンをしているカノジョとお揃いの、ハワイアンジュエリーリング。左手首に巻かれたロレックスは週替わりでチェンジ。

なによりも、このJサン、トークが、ダントツに面白い!お兄とJサンと3人で喋ってると、とにかくえりサン、ずーーーーと笑いっぱなし♪面白し、エロいし、ウィットに富んでるし。キャバクラとか行くと、女の子に超モテモテなんだったってサ♪たまにー、逆ナンされるコトもあるんだって、若いお姉さんに…。深夜とかの帰宅時に、電車に乗ってシートに座ってた時に、席が結構空いてるのに、わざわざ真正面のシートに、短めのスカートを履いた女の人が座ってきたんだって。んで、チラって目が合うと、徐々にその女の人が、両脚を開いていくんだってぇぇぇぇ。ナンダナンダ?もしかして誘われてるのかな?とか思いつつも、でも眠かったから そのまま寝ちゃったヨー。とか言ってゲラゲラ笑ってたけどネ♪

お兄は「嘘つけー!」とか言ってたけど、うーーーん。本当なんだか冗談なんだか分からないんだけど、でも確かに女の子は放っとかないなー的な、そんな雰囲気のオヂサマでしたネ。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

そんなJサンの着信に起こしてもらい、門限時間が迫る中、自宅に送ってもらうお兄の車の中。助手席で、乱れた髪の毛をゴムで纏(まと)め、ルーズソックスを履きながら、お兄に聞いたんだけどネ。さっきの電話の件、Jサンね、若いほうのカノジョ(高校生の方ネ)の親に、2人の関係がバレちゃったらしく…。その親がキレて「未成年淫行で訴える!」とか、言い出しちゃったらしいのネ。で
Jサン、仕方がないから、今から警察署に事情説明しに行くので、もしかしたら、事情を知っているお兄に、証言とか?下手したら警察官がお兄の所に行くかも…なので先に謝っとくねー、っていう内容の電話だったんだってサー♪もー、Jサンー。なにしてはりますのー。ってカンジでしたネ(笑)。

結果的には、訴訟とかって事にはならなかった らしいんだけどネ、でもネ 、Jサンの奥さんにはバレちゃって、というか先方に奥さんと2人で、謝罪しにいく羽目になっちゃったらしく。その帰り道、奥さんに、グーで顔面殴られたそうデス。こ…怖ーー!で、その時の奥さんの一言…
どうせやるなら もっと上手くやれ!
だってサ…。そっちかヨーー!?って思わず突っ込んじゃいましたヨ。お兄と2人で(笑)。以上、前置きでした(長くてスマソ)。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

お兄とは結局、数ヶ月間で別れることになったんだけど(涙)。その後のハートブレイクな時期も、なんとか乗り越え、やっと日常に戻り始めていた、そんな高校2年の初夏のこと。
………

学校帰りに、国道沿いの歩道を自転車で走ってたら、いきなり後輪がパンク!ええええええええええ?うっそおおおおおおおお!!!日中は30度を越す真夏日。日の暮れかかった時間帯だったけど、それでも、じっとしているだけでも、じんわりと汗ばむ気温。ましてや自転車を、猛立ち漕ぎしまくってたため、じっとりとかいた汗のせいで、背中にブラウスが張り付いて、ちょっと気持ち悪い。自転車を降り、世界で一番に不幸な女だわ私、的なことを考えつつ、ブツブツ言いながら、仕方なくパンクした自転車を牽いて、歩道を歩いていたんですよー。

そんな時、えりサンの真横を通り過ぎた1台の車が、不意に減速したと思ったら、そのまま左にウインカーを出して、歩道側に車を寄せ、100メートルくらい前方にハザードランプを点滅させて、停まったんですよ。

ちぇっ、車は楽でいいなー。もう疲れちゃったし、暑いし、汗ダラダラだし、走り抜ける車が吐き出す排気ガスが超息苦しいし。もうサ!ちょっとそこの車ー。乗っけてってくれないかなー。ついでに、自宅まで運んでよォ!なワケないか(笑)。とか、独り脳内ノリツッコミ。

ていうかネ、自転車を押して歩いてると、徐々に前方に停まっている車との距離が、縮まっていくんですけどね。近付くに従って。え?なんか、車の運転席の男性?後ろ向きの体勢になってる?こっち見てる?え?私のこと見てる?ナニナニ?なんか怖いんですけどー。さすがにまだ暗くなる時間帯ではなかったけど、それでも少し黄昏時。ちょっと薄暗くなり始めた時間帯。さり気なく
反対側の歩道に渡っちゃおうかなー、と思っても交通量がハンパない車道、横断歩道は随分先の方。意を決して、俯きながら
足早に自転車を押して、その車の真横を通り過ぎようとすると、「えりちゃん。」って。

え?とか思って顔を上げ、声の方を見ると、停車したクルマの運転席側から、身を乗り出して、助手席側の窓ガラスを開けて、こっちを見ているオヂサマ。ん?見覚えのある…。あ、Jサン!?ええええ?Jサンーーーー?ど、どうしたんですか~?お、お久しぶりじゃないですかぁぁぁ。Jサンね、たまたま車を走らせていた所、偶然目の前の歩道を、しょんぼり自転車を牽く、学校帰りのえりサンを発見。思わず車を停めて声を掛けちゃったそうです。

路上にクルマを停めたJサンと、軽く立ち話。横を何台もの車が、排気音と排煙を撒き散らしながら通り過ぎつつ。あ、Jサンと喋るのって何ヶ月ぶりかな?相変わらず、軽妙なトーク、機知に富んだギャグさり気なくダンディーな仕草。

J「ねえねえ、なんで自転車漕がないの?」
えり「えー?パンクしちゃいましてー。」

J「そりゃ災難だねー。よかったら、送っていこうか?」
えり「え?チャリ(自転車)どうするんですか?」

J「後ろに積んじゃえばいいんヂャネ?」
えり「え?それアリッスか?」

J「全然アリアリ(笑)。」

ライトバン?っていうのかな?後ろのシートを倒すと、後部座席の所に自転車1台くらい余裕で入るようなタイプの車でして、「ありりりがとうござりまするううううーー❤」ってナ感じで、送ってもらうコトになりました。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

エアコンの効いた、ちょっとタバコの臭いが染み付いた車内。灰皿にはタバコの吸い殻がてんこ盛り。BGMはBOOWYのライブ盤。なんか久しぶりなのに、妙に盛り上がる会話。この人…本当に女の子との会話が上手いなーとか思いつつ。

J「ゴメン。えりチャン。急いでる?」
えり「え?いや別に…、そんなには。」

J「悪いんだけどサ。ちょっとだけ寄り道させてもらってもいいかな?」
えり「ハイー☆全然いいですよぅ♪」

J「ゴメンね。10分くらいで済むからサ。」
えり「いえいえー。こちらこそ、なんかスミマセーン。」


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

しばらくすると、道路沿いに建つ、2階建てのアパートの隣、砂利の敷き詰められた駐車場にクルマを停めるJサン。
J「ゴメン。ちょっと待っててもらってもいい?」
えり「あ、ハイー。待ってます。」

J「あ。」
えり「…ハイ?」

J「良かったら、一緒に来る?」
えり「えー?いいんですかー?」

J「お店…、ちょっと買い物するだけなんだけどサ。待たせるのも悪いし。」
うーん、車の中で一人待ってるのも退屈だし、
えり「じゃ、付いてっちゃおうかなー。アハハハ。」

というワケで、Jサンに付いて車を降り、そのまま駐車場横の、小さなアパートの鉄製の階段をカンカンカンって登り、2階の廊下の付きあたり、一番奥の部屋へ…。え?買い物でしょ?ここアパートなんですけど?お店っぽくないんだけどー?何か裏取引風な雰囲気ジャネ?まあ、黙って後ろに付いてればいいや(能天気)。

扉を開けると、中は8畳くらいの広さ、。靴履きのまま入れるようにフローリング加工された床。ステンレス製の陳列棚が3~4コくらい並び、窓ガラスは厚く黒いカーテンで目張りされてて、何か少し異様な雰囲気。陳列棚に目をやると、妖しげなビデオとか、黒光りした革製のムチとか、長く大きい色取り取りの蝋燭とか、仮面舞踏会風のマスクとか、大小さまざまな箱類。なんかカラフルなヤツとか、メタリック風なモノとか、所狭しと並んでて。って?この妖しげな太く長いモノってこの形状ってぇぇぇぇ???も…もしかして///男性のぉ?きゃぁぁぁぁ。ナニコレーーー!これナニに使うのーー?まさか、コレをナニして、ナニされてみたいなーーー?スゴーーー///いや無理無理。入んないってーー(ナニが?)。みたいなモノがズラリ(ハシャぎすぎ)。まあ、要はーーーー、大人の玩具…屋サン?ってやつ?最近知ったんだけどネ。

そんな部屋の奥に、パイプ椅子に座って、タバコを燻(くゆ)らせて本を読んでいた店番サン。両肩から両腕にかけて、びっしりとタトゥーが入ってて、顔中あちこちに埋め込まれたピアス。短髪に顎髭、グレーのタンクトップにダボッとしたミリタリー模様のスボン。腰にぶら下げられた何連ものチェーンが、動くたびにジャラジャラと鳴り響く。Jサンとえりサンが、そのお店(?)に入ると。
店員「あ、Jサン、どうも。」
J「こんばんは。」
常連かっ(笑)?!

そのまま、店番のお兄さんと親しげに話し込むJサン。雰囲気的に、陳列棚に並んだ商品を凝視しているわけにもいかず、入り口付近でボーッとしてると。
J「えりチャンごめんね。お待たせ。」
えり「あ、いえいえ。」

J「じゃ、また。」
店番「Jサン、毎度です。」

小脇に抱えたビニールの黒い袋、そのまま車に戻る2人。車内では、また普通に世間話が始まるんだけど。
J「その後どう?元気だった?」
えり「ハイー☆もうすっかり立ち直りましたよー。」

J「新しいカレシでもできたかな?」
えり「全然だめっすぅぅぅ!!!誰かいい男子いたら紹介してくださいよー」
J「ハハハ 探しとくよ。」

Jサンの左手薬指のハワイアンジュエリーリングを見て、
えり「今から、カノジョさんとデートですかー?」
J「え?うん 向こう(カノジョ)があと1時間くらいしたら仕事終わるからサ。これから迎えにいく所。」

えり「ラブラブですねー。」
J「ハハハ。まあ、細く長く続いてるけどね。」

えり「あ、そういえば、その包み、何ですかー?」
J「うん?ああ…これ?見る?」

えり「うんうん。見たい見たい。」
J「いいよー。開けてみな。」

えり「はーい。失礼しまぁぁぁす。」

袋の中にあったのは、可愛らしいフワフワの紫色のファーが巻かれた 手錠
えり「えーー?手錠ですかーー?本物ーー?」
J「まさかーー!玩具だよおもちゃ。」

えり「これ…嵌(は)められるんですか?」
J「嵌められるよ。やってみな?」

えり「えーなんか怖い。」
J「何で?」

えり「だってー、外れなくなっちゃったら嫌じゃないですかー。」
J「大丈夫だって。鍵もセットで付いてるでしょ?」

えり「うーん。じゃちょっと試しに。」

と、右手で手錠の輪っかの根元を持ち、左手の手首に押し付けるように、グイッって押し付けると、ファーの巻かれた半円状の金属部分が、くるりと360度弧を描き、そのまま、カチリと金具が噛み合わさる音。玩具とは言え、それでもちょっと、金属製品のズシッとした重みが、ちょっとリアル。手首が当たる部分には、全て触感のソフトな紫色のファーが付いていて、痛みとかは全然無し…。

次に試しに鍵穴に、付随の小さな金属製の鍵を差し込み、くるりと回転させると、何事もなかったかのようにカチリと外れる手錠。
えり「へー。なんか面白いですネ。」
J「気に入っちゃった?でも、あげないよー(笑)。」

えり「えー?今からカノジョさんと使うからー?(笑)」
J「そうそう。ハハハハ。…って言わせんな///ってー。」

えり「アハハハハハー☆」

………

そのまま、なんとなく、手持ち無沙汰なまま、手元にもった手錠を、再度手首に掛けてみる♪勢いで、残りの、もう片方の手首にもカチッって…。いつしか、陽が落ち、街灯が点灯し始め、黒い夜の帳(とばり)が少しずつ、世界を覆い始めた時間帯。信号待ち、狭い車内、少し開いた運転席側の窓ガラスから漏れ聞こえる外の喧騒。音量の絞られたBGM、運転席で、タバコを咥えながら正面を見つめるJサン。アイドリングする車の軽い規則的な振動。眼鏡に写り反射する赤信号。シルバーグレイのオールバック、頬骨の浮き上がった精悍な横顔、第2まで外されたワイシャツのボタンから、ちらりと見える厚い胸板。うっすらと光る胸毛の上を、太目の
ゴールドのチェーンネックレスが揺れる。少しメタボ風なお腹、ゆったりめのスラックスに包まれた長い脚。シフトノブを握る左手首には、文字盤がブルーの大人っぽいロレックス。左薬指に光るリング。手の甲にもうっすらと生える産毛、思ったより長くて細い5本の指。この長い指が、カノジョさんの白い肌の上を、そっと這うんだナー♪ナンテネ///

……
シートに凭(もた)れ掛かり、ふと、このシチュエーションを客観視してみた。助手席に座る、汗でボサボサになったショートヘアー。化粧は落ち気味だけど、でも眉毛だけはしっかりと書き込まれた、制服姿の女子高生。両耳には小さなピアス、胸元に揺れるシルバーのネックレス、右手小指にピンキーリング。暑かったから、第2ボタンまで開けた薄手の半袖ブラウスの裾は、スカートの外に全出し。ルーズソックスも、だらりと足首付近にずりおち状態。踏まれて、踵(かかと)がよれよれになったローファー。ヒザの上には学校指定の通学カバン。ここまではー、まあ日常、普通、ノーマルな状態。

でー、なぜかーー?両手首を、拘束している、紫色のファーの付いた、手錠♪ココ!非日常。ちょっとシュール。超アブノーマル。って、アレ?この状態でサ、もしも?もしもだけどサーーー!

不意に、車を路肩に停められちゃったら、どうしよう!!!

そのまま、何か自然な風で、すーー、って助手席に覆いかぶさってこられちゃったら、どうしよう!!!

「あ♪ちょっと///だめですよぉ♪」とか、軽くいなしてるてるのに、いきなり顔を近づけられちゃったら、どうしよう!!!

「ちょ///もぅ///ダメですぅ(笑)」とか言ってるのに、ちょっと強引に、手錠の鎖部分を持ち上げられて、否応なく両腕をバンザイな格好にさせられちゃったら、どうしよう!!!

「あ///ねえ、だ…だめぇ…。あっ///(汗)」って、片手で、私の両手首の自由を奪っている手錠を掴まれ、残った片手で、助手席のサイドレバーを引かれて、そのままシートを倒されちゃったら、どうしよう!!!

抵抗しようにも、左右の手首はシートの後ろに固定され、屈強なオヂサマに、真上から覆いかぶされちゃって、両脚の自由も利かない状態。シートに背を付けつつ、背筋にチカラを込めて、抗うように、胸を張るような体勢になると、ヤベッ!薄手の白いブラウスから、濃いピンク色に白い水玉模様の、ブラジャーが透けまくってるしぃぃぃぃぃ!!!

そのまま、脚元から、オヂサマの右手が、素足のフトモモを軽くタッチしつつ…、滑りながら、濃紺の、プリーツのミニスカートをたくし上げられて、更にそのまま柔肌を這うように、右手の指が上に登ってきちゃったらどうしよう!!!

「もう(笑)冗談はヤメてくださいよぅ…。」って言おうとしたら、片手で唇を塞がれちゃったら、どうしよう!!!

何か、鼻息が、キモチ荒めだったら、結構興奮してるぅ?テキナ???そんな風だったら、どうしよう!!!

ブラウスの裾から、右手が侵入してきて、そのまま、舐めるように 、胸元まで上がってきちゃったら、どうしよう!!!

そのまま、背中にスルスルーって入り込んできて、ガードしようとしてるのに、でもあっさりと、背中をグイッって持ち上げられて、仰け反るような体勢のまま、ブラのホックを片手でいとも簡単に外されたら、どうしよう!!!

何とか自由になる両脚で抵抗しようと思ったら、いきなり両脚の間に下半身を入れてきて、巧みな動きでススススって、両脚を持ち上げられたと思ったら、M字ーーーな格好????そのままスカートが肌蹴て、白い太腿が、モロ晒されちゃったら、どうしよう!!!

…で、真横の窓ガラスから、薄暗い外を見ると、ドア数センチ隔てた所を、普通に人が歩いてたりしたら、どうしよう!!!こっちに気付かないでぇぇぇぇ!!!!

で、もう、止まらなくなっちゃって、倒された助手席に、手錠で拘束された両腕を掴まれたまま、バンザイな格好で押さえつけられて、ブラウスのボタンを全部外されて、ホックを外されたブラもたくし上げられて、スカートはなんとか腰に巻きついてるんだけど、片膝で下半身を、グイグイーーーー☆とか、されてきちゃって、もうそのまま勢いで<ピー>を<ピー>されちゃって、さらに<ピー>まで<ピー>されちゃって、そのままの格好で、<ピー>なんてことになっちゃったら、

ど、ど、どうしよぉおおおおおおおおおお!!!!!!!


…………

なーーーーんて、事になったら大変なので、
すぐに手錠を外して、
Jサンにお返ししときました☆

アブナイ☆アブナイ☆軽く妄想族でしたネ♪


って、妄想しすぎだっ!

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